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第 57 話

Author: 江上開花
「うわーやばいなあの人たち。やっぱり礼儀のない子供の親は非常識なんだな」

「家族三人で女の子をいじめるなんて、ホントありえない」――周囲からの避難の声が次々と上がる。

路加は墨汁まみれの姿で立っており、もうすでにかなりみじめな状態である。さらに今、群衆から指を差されて非難され、怒りで爆発しそうだった。

路加は拳を握りしめながら、顔には無理やり無垢でか弱い表情を浮かべて、亜夕美に説明する。「違うの。私たち、脩太と一緒にここを通りかかっただけなの。そしたら、あなたがあの子を抱きしめてキスするのを見て、ただご挨拶しようとしただけ。なのに、あの子が急に暴言を吐き始めて……」

そう言って、碧唯を指差す。
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