Share

第8話

Author: みそ煮
last update Petsa ng paglalathala: 2026-02-10 22:40:01

あっという間に五日が過ぎ、パーティーの日になった。

「香織お嬢様、本当によくお似合いです。会場にいる全員がお嬢様に目を奪われるでしょう!」

「そうかしら?」

華やかな青いドレスに身を包み、長い黒髪を結い上げた香織は、行きつけの美容院の店長――鏑木壮太(かぶらぎそうた)の手を取り、彼の車へと向かっていた。

「あなたの腕がいいのよ、いつも感謝しているわ」

「それはこちらのほうですよ、お嬢様。お嬢様の父君には感謝してもしきれません」

壮太は優雅に香織をエスコートし、車のドアを開けた。

香織が黒のSUVの後部座席に乗り込むと、壮太が運転席に座った。

「あなたが運転してくれるのね」

「安物の車で申し訳ありません」

「そんなことないわよ」

九条や羽川に劣るとはいえ、人気美容院を経営する彼もかなり稼いでいるはずだ。成功してもなお、父親への恩を忘れることなく、謙虚な彼に香織は好印象を抱いた。

「ところで、今から向かわれるパーティーは一体どのような会なのですか?」

運転中の壮太が香織に尋ねた。

「亮太の愛人の妊娠祝いのパーティーよ」

「あ、愛人……!?妊娠……!?」

壮太は驚いて咳き込んだ。

「あ、これ内緒ね?一応近しい人しか呼んでないパーティーだから」

「は、はい……お嬢様……」

壮太は香織が平気な顔でそのようなことを口にしているのが信じられなかった。

愛人の妊娠に、何故そんなにも平然としていられるのか。もし自分が香織の立場だったらきっと正気を失っていただろう。

それに香織は学生時代から亮太を深く愛していたはず。そんな彼女が愛人と子供の存在を知ってもなお、毅然とした態度でいるのだ。驚かないほうがおかしいだろう。

壮太は香織のそのようなところが父である忠嗣にそっくりだと思った。彼も妻の不倫を知ったとき、取り乱すことなく冷静だった。

壮太は香織より七つ年上で、三十を過ぎている。香織のことは昔から見てきていた。

壮太にとって彼女は大恩人の娘であり、少し年の離れた妹のような存在だった。だからこそ、心配だった。

「お嬢様、会場に着きました」

「もう?やっぱり車移動だと楽ね」

「羽川家の夫人が電車やバスで移動しているほうがおかしいんですよ……」

「あら、それはたしかにその通りね」

香織は笑っていたが、壮太の不安はいつまでたっても拭えなかった。

壮太の手を取って車から降りた香織は、彼の様子がおかしいことに気が付いた。

「どうしてそんな顔をしているの?」

「俺は……そのような会にお嬢様を一人で参加させることが心配で……」

「あら、壮太ったら、忘れたの?」

香織が壮太を名前で呼ぶのは久しぶりだった。彼が開業し、客となってからはずっと店長と呼んでいたからだ。

「私はあの九条忠嗣の娘よ。そう簡単にやられるタマじゃないわ」

「お嬢様……」

香織は父親のことが好きではなかったが、彼が仕事面においてどれだけ素晴らしい人だったかをよく知っていた。実際、彼は壮太を始めとする多くの人から慕われていた。

「俺は終わるまでここで待ってますよ。帰りたくなったらいつでもここへ戻ってきてください」

「ええ、ありがとう」

一度壮太と別れた香織は、パーティーが行われるホテルの中へ入った。

「……たかだか愛人の妊娠のために、こんな高級ホテルを予約するなんてね」

バカバカしくて笑いが出そうになった。

パーティー会場へ入ると、香織は人々の視線を一斉に集めた。

「ねぇ、あれって……羽川夫人じゃない?」

「どうしてここにいるんだ……今日は日菜乃さんの妊娠祝いのパーティーのはずだろう?」

ざわめく会場。

そして、香織の視線の先には――

「な、何故お前がここにいるんだ!!!」

ドレスアップした日菜乃と、スーツ姿の亮太が立っていた。そしてその横には彼らの娘である朱里もいた。

怒声を上げる亮太に、香織はニッコリと笑い返した。

「あら、子供がいる前であまり大きな声は出すものではありませんわよ?」

Patuloy na basahin ang aklat na ito nang libre
I-scan ang code upang i-download ang App

Pinakabagong kabanata

  • 夫の拷問で死んだ私、今世は離婚します!今さら泣いて縋っても戻りません!   第173話

    当然、香織はそのようなくだらないことにいちいち付き合うほどお人好しではない。彼女は自身を名指しした日菜乃にすぐ断りを入れた。「何も聞いていないので……何の準備もできていません。いきなりやれと言われても無茶な話です」「そこを何とかお願いできませんか、香織さん」「いえ、できません。何も考えていませんので」日菜乃の頼みを、香織は断り続けた。当然だ、突然言われたところでできるわけがない。「そうですか……香織さんが一番適任だと思いましたのに」断固として拒否する香織に、日菜乃は落ち込んだように視線を下げた。そんな風に振舞われたら、まるで香織が悪者であるかのようだった。招待客たちは、香織に蔑むような視線を向けた。「……あんなにも冷たくする必要は無いのではないか?」「そうよ、いくら日菜乃さんに旦那を取られたといえ……こんな風に公衆の面前でキツく当たる必要があるかしら?」「花嫁が可哀相だ、それに九条グループのご令嬢がそんなこともできないだなんて……」「……」失礼なことを言い出したのは間違いなく日菜乃だというのに、何故こんなにも蔑まれなければならないのか。(そうよ……忘れていたわ。ここにいる人たちは亮太や日菜乃の知り合いだから……彼らの肩を持つのは当然のことよね)どうせ全員が亮太に気に入られたいからと、式に参加したのだろう。彼の溺愛する日菜乃と親しくすることができれば、様々な面で利益を得られるから。日菜乃は隣にいた亮太の腕に、そっと手を触れた。「ねぇ、社長。社長も香織さんにぜひ主賓スピーチをしてほしいでしょう?」「……別に誰でもいい、俺は興味がない」亮太は冷たくそれだけ言うと、顔を背けた。招待客の刺すような視線が、香織に集中した。――お前がやれ、早く壇上に上がれとでも言いたげなその目。(こんな風になった以上、私が前に出ないわけにはいかないわね……)彼らは自分にその役割が回ってくるのが嫌だから香織にやらせようとしているのだろう。そんな彼女に、横に座っていた女性が話しかけた。「令嬢、大丈夫ですか?無理して行く必要はありませんよ。予期せぬトラブルではありますが、司会者が何とかするでしょうし……」この場で香織を気にかける、唯一の人だった。招待客の中でまともな人間がいるということが驚きだ。香織は不安げに見つめる彼女にニッコリと笑った。「いえ、主賓

  • 夫の拷問で死んだ私、今世は離婚します!今さら泣いて縋っても戻りません!   第172話

    香織は戸惑いながらも、亮太の視線を正面から受け止めていた。熱を帯びたその視線が、彼女の胸をざわつかせた。二人はお互い一言も発さずに、ただ黙ったままお互いを見つめ合っていた。「……社長、どうしたんですか?」「……いや、何でもない」横を歩いていた日菜乃の声で、亮太はようやく我に返ったようだった。香織から視線を離し、再び前を向いてバージンロードを歩き続けた。(……気のせい、よね?)香織はそう結論付け、気にしないことにした。まるで亮太が自分を愛しているようではないか。そんなこと、あるわけがない。前世でよく学んだことだった。(とっても素敵な歌ね……一体誰のことを歌っているのかしら)亮太と日菜乃の入場に使われていた曲は、皮肉にも純愛を歌うものだった。不倫が純愛とは何とも笑えるが、誰もそんな小さいこと気に留めていなかった。そもそも、略奪婚で結婚式を挙げ、元妻をその式に招待している時点で彼らはまともな考えを持ってはいないだろう。「……」――その瞬間、亮太の腕にしがみついていた日菜乃が一瞬だけ香織に視線を向けた。彼女の勝ち誇ったような笑顔を、香織は見逃さなかった。(……何が言いたいのかしら、不愉快極まり無いわ)――亮太は私のものよ、あなたは彼に捨てられたの。わざわざ口に出さずとも、表情だけで言いたいことが伝わってきた。新郎新婦の入場を終えると、マイクを手に持った日菜乃がウェルカムスピーチを始めた。「今日は私たちを祝うために、お忙しい中集まってくださりありがとうございます。私山川日菜乃と、羽川亮太は結婚致しました」彼女は幸せそうに微笑んだ。「私たちの結婚は、賛否両論があると思います。皆さんも既にご存知だと思いますが、結婚するまでの経緯がかなり複雑でしたので……」そこで日菜乃は、チラッ……と香織を一瞥した。再度二人の視線がぶつかり、香織は思わず眉をひそめた。経緯が複雑で、批判の声が少なからずあるということをわかっているのなら、最初から結婚式などやらなければいいのに。香織は心の中で毒を吐いた。「しかし、今日こうやって皆様に結婚を報告することができて大変嬉しく思います。今日は皆様にとって楽しい時間となることを願っております」締めの言葉で、会場にパチパチと拍手が鳴り響いた。香織はとんだ茶番だと感じながらも、音が鳴らない程度に両手を合わせて叩いた。

  • 夫の拷問で死んだ私、今世は離婚します!今さら泣いて縋っても戻りません!   第171話

    それからしばらくすると、式が始まった。香織はじっと席に座り、亮太と日菜乃の登場を待ち続けた。ご丁寧に新郎新婦を紹介するオープニングムービーから始まり、香織は冷めた目で二人の動画を眺めた。(とんだ茶番ね……さっさと終わらないかしら)ムービーが終わると、司会者のアナウンスが流れた。「――新郎新婦のご入場です」その一言で、招待客たちが入口に視線を向けた。大きな扉がゆっくりと開いたかと思えば、腕を組んだ二人が入ってきた。真っ白なタキシードに身を包んだ亮太と、その横で微笑む日菜乃。(あらあら、今日の日菜乃は一段と華やかね……あんな事件を起こした張本人だとは思えないほど)白いウエディングドレスを着た今日の日菜乃はとても美しかった。彼女の着ているドレスはスカートの部分に華やかな縦のフリルをあしらっており、大きなパフスリーブの袖部分が印象的な可愛らしいものだった。全体的にレースを施し、髪の毛は低めの位置でシニヨンにまとめている。ふわっとボリューム感を出す髪には、花のベッドドレスが散りばめられている。「わぁ……とっても綺麗な花嫁さんね」招待客からは歓声の声が上がった。男性は主に日菜乃を、女性は亮太をそれぞれ美しいと褒め称えた。香織は自分を差し置いて幸せになろうとしている二人を見ても、今さら何とも思わなかった。ただ、気になる点が一つだけ。(……愛する女が横にいるってのに、どうしてそんな顔をしているのかしら)バージンロードを歩く亮太の表情が、何故か曇っていた。隣で愛らしく微笑む日菜乃とは打って変わって、彼は入場してきてからずっと暗い顔をしている。誰とも目を合わせることなく、視線を伏せたまま歩いている。よく見ると目の下にクマがあり、顔色が良くなかった。しまいには、横にいる日菜乃を全く視界に入れていない。(マリッジブルーってやつ?亮太にもそういう気持ちがあったのね)香織は特に気に留めることもなく、式を見守り続けた。「日菜乃さん、とっても綺麗ですねぇ」「……」横にいるのが新郎の元妻であることに気付いていないのか、隣に座っていた女性がそう声をかけた。香織はニコッと笑って答えた。「ええ、そうですね。女の私でも見惚れてしまいそうです」彼女が答えたその瞬間、すぐ近くを歩いていた亮太の視線が一瞬だけチラと香織に向けられた。「……!」彼と目が合い、彼女はドキ

  • 夫の拷問で死んだ私、今世は離婚します!今さら泣いて縋っても戻りません!   第170話

    その頃、結婚式の挙式会場では一人の女性の到着によってざわめきに包まれていた。「あ、あの美しい人は一体誰だ……!?」「何て麗しいのだろう……まるで春の女神のようだ」「あの人……羽川社長の元奥さんの香織さんよ!あんなに綺麗な人だったとは、知らなかったわ……」そう、人々の視線を一斉に集めていたのはまさに香織だった。赤く妖艶なドレスを身にまとった彼女は、会場でも一際目立っていた。元々整った容姿に加え、長い脚に引き締まった身体。腰まで伸びた黒髪は、軽く巻かれており、普段より華やかな印象を与えた。彼女は会場に入ると、そのまま椅子に座った。彼女に見惚れていた男の一人が、おそるおそる声をかけた。「あ、あの……よろしければ、連絡先をお伺いしても……」「……すみません、そういうのはお断りしているんです」話しかけるだけでもかなり勇気のいることだった。しかし、何の迷いも無く断りを入れた香織に、男たちはガーンとショックを受けたような顔で固まった。しかし、それでもまだ諦めきれないというような彼らに、香織はハッキリと告げた。「実は私……心に決めたお方がいるんです」「な、何だと……!?」こんな絶世の美女の心を射止めたのは、一体どこの誰なのか。会場にいる誰もが気になって香織を見つめたが、彼女は面白そうに笑いながら人差し指に手を当てた。「ふふふ、誰かは内緒です」香織の赤い唇が、弧を描いた。その妖艶な笑みに、男たちはドキッとしてそれ以上は何も聞くことができなかった。(まぁ、そんな人いないんだけど……)香織は椅子に座ったまま、式が始まるのを待った。そんな彼女に、横に座っていた若い女性が声をかけた。「ご令嬢はとても人気ですね。会場にいるみんなが令嬢のことを見ていらっしゃいますよ」「……そうですか?」言われた香織は周囲を見回した。「ええ、気付いていらっしゃらないのですか?あそこでチラチラと令嬢に視線を向けている方はあの小田自動車の御曹司様ですよ!その横にいらっしゃる方は大手食品メーカーの社長さんです。女性であれば誰もが憧れるようなお方が、ご令嬢に熱い視線を向けていらっしゃいます」「……」彼女の言う通り、この場で香織に熱の帯びた視線を向ける男は多かった。羽川財閥の社長である亮太が結婚式に呼ぶほど仲が良いのだから、彼らも当然有名企業の御曹司か社長なわけで。しかし、

  • 夫の拷問で死んだ私、今世は離婚します!今さら泣いて縋っても戻りません!   第169話

    ――時は流れ、結婚式当日になった。「まぁ、とってもお綺麗ですね!」「そう?ありがとう」日菜乃は会場の控室で亮太の到着を待っていた。彼女は真っ白なウエディングドレスに身を包み、椅子に座っている。今日、彼らが式を挙げるのは都内でも有名な高級ホテルだ。日菜乃がそこで挙式したい、と強く望んだせいだった。彼女はおもむろに椅子から立ち上がり、室内にある鏡の前に立った。たくさんのレースがあしらわれた白いドレスに、頭に大きなティアラを着けている。(誰から見ても華やかね……)この姿で亮太と共に登場すれば、誰も略奪婚の分際でとは言わなくなるだろう。それに、今日の結婚式には亮太の元妻である香織も呼んでいるのだ。そこで彼女に恥をかかせることができれば、一石二鳥である。いつも澄ましたあの女の羞恥に染まる顔が見られるのだと思うと、何だかワクワクしてきた。彼女は最後に前髪を軽く整えると、鏡の前から離れた。「――ご新郎様が到着されたそうです」「通してちょうだい」それからすぐ、亮太が控室に入ってきた。「……日菜乃」「社長!待っていたんです!」日菜乃はいつものように、頬を染めて亮太に駆け寄った。美しいドレス姿も相まって、その姿はとても愛らしかった。「……」しかし、彼はそんな彼女を見ても何の反応も示さなかった。日菜乃は違和感を覚えながらも、彼に話しかけた。「社長、今日は私たちの結婚式ですね!私、ずっとこの日を待ち望んでいたんです!」「……あぁ、そうだな」亮太は素っ気なく返事をした。いつもの黒いスーツとは違い、白いタキシードを着ている彼もまた雰囲気が違って見える。しかし、普段よりも冷たく感じるのはきっと服装のせいではないはずだ。――では、一体どうして。日菜乃は亮太と再婚したあの日から、そのような違和感を抱き続けていた。今までずっと自分だけを見つめ続けていた男が、突然このような姿になったのだから無理もない。「社長!私のドレス姿どうですか!?最も美しい姿を社長に見ていただきたくて……自分磨き頑張ったんですよ?」「……そうか、綺麗だよ」「……」綺麗とは言ったものの、本当にそう思っているかどうかは怪しいところだ。今の亮太は目の下に大きなクマを作り、焦点の合わない虚ろな目で日菜乃を見下ろしていた。その瞳には、何の感情も感じられなかった。愛おしいというのも、今の

  • 夫の拷問で死んだ私、今世は離婚します!今さら泣いて縋っても戻りません!   第168話

    「―――日菜乃が捕まっていないとは、どういうことですか!?」「香織、落ち着いてくれ」何と、今回の件において全ての黒幕である日菜乃は逮捕どころか容疑者としての事情聴取すらされていなかったのだ。(柚果と日菜乃が繋がっていることはほとんど確定しているのに……)何故、彼女が何の処罰も受けていないのか。礼音はそんな香織の疑問に答えるように、口を開いた。「あの女……川島が日菜乃について何も話さないそうだ」「……何も?」礼音は香織を落ち着かせるように、両肩に手を置いた。「ああ、俺もアイツは日菜乃って女と繋がっていると思う。だが……当の本人が何も語らないのだから、捕まえることができない」「……」「あの女が実行犯として犯した過去の事件も明らかになったが……それに関しても日菜乃が追及されることはなかったよ」「そんな……」香織は柚果の行動が到底理解できなかった。普通、人間ならば誰しも自分の罪を軽くすることを一番に考えるのではないだろうか。しかし、彼女は日菜乃のことを話すことはなく、全ての罪を自分がかぶろうとしているのだ。(どうしてそこまで日菜乃を庇うの……?)事情は知らないが、柚果の日菜乃への思いには何か特別なものがありそうだ。「ということは、今回の一件は柚果が主犯で、日菜乃は無罪放免となる……ということですか?」「その通りだ」納得できるわけがないが、柚果が何も話さない以上仕方が無い。(こうなったら、自分の手であの女を追い詰めるほか無さそうね……)そのように覚悟を決めた香織は、礼音に向かって口を開いた。「三日後、日菜乃と亮太の結婚式があるんです」「そういえば、もうそんな時期だったな」ちょうど、日菜乃と亮太の結婚式が三日後に迫っていた。略奪婚でありながら結婚式をするなど正気の沙汰とは思えないが、日菜乃はきっと、そこでもまた何か仕掛けてくるだろう。「一人で大丈夫か?」「ええ、平気です。もう昔の弱い自分ではありませんから」香織は礼音を安心させるように、ニッコリと笑いかけた。机の引き出しには、日菜乃から送られた結婚式の招待状が入っている。「ドレス選びは今からしておかないと」「そうだな……なら俺も付き合おう。一人では何かと大変だろう」「そ、そこまでしてもらうわけには……」香織は断ろうとしたが、礼音は何故か退かなかった。(……どうしてか

Higit pang Kabanata
Galugarin at basahin ang magagandang nobela
Libreng basahin ang magagandang nobela sa GoodNovel app. I-download ang mga librong gusto mo at basahin kahit saan at anumang oras.
Libreng basahin ang mga aklat sa app
I-scan ang code para mabasa sa App
DMCA.com Protection Status