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第12話

作者: 笑い竹
敬雄は顔を上げ、服はしわだらけだ。

彼はタバコを吸っており、その煙が顔全体を包み込む。だが、眉間の憂いだけは消えなかった。

しばらく会わなかった間に、父子二人とも痩せ細り、まるで風で倒れそうだった。

私は見なかったふりをして、すり抜けようとした。

「玉美、やっと戻ってきたな」

敬雄は私の前に歩み寄り、声には複雑な思いが込められていた。

私は時間を無駄にせず、直接尋ねた。

「何の用?」

彼はわずかに口角を上げ、苦味と切なさを帯びた表情を浮かべた。

「俺たち……復縁の可能性はもう本当にないのか?」

私は遠くを見つめ、淡々と答えた。

「敬雄、私たちはとっくに終わったの。もう可能性はないわ」

目の前のこの人を、私は命をかけて十年間愛した。

だが今は、気持ちがすっかり整理され、心は水面のように静まり返っている。

彼を好きだったのは、まるで前世のことのように思える。

敬雄の目尻から涙が一滴こぼれた。彼は薄い唇をわずかに開き、かすかな声で言った。

「ごめん、この十年は俺がお前にひどいことをした。

もうお前の愛に値しないのは分かってる。でも、この世界でお前のように俺を大切にしてくれる人はもう現れない。俺は本当にお前から離れられない。

玉美、頼むから、別れないでくれないか?」

以前の私なら、彼が泣く姿に心を痛めていただろう。

しかし今は、心の中に少しの同情すらなく、むしろうんざりしている。

私は笑い、距離を取った。

「必要ないわ。感情は無理やり押し付けられるものじゃない。

これでいいの。お互い、円満に別れましょう」

そして晴実にも視線を向け、徹底的に関係を断ち切ることにした。

「離婚後は、私たちの母子関係も完全に終わりにする。そのとき、老後に扶養義務を負わせることも絶対にしないと約束する」

私は息を吐き、全身が軽くなるのを感じた。

晴実は泣きながら首を振り、ひざまずきそうになりながら懇願した。

「ダメだ、ママ、母子の関係を断ちたくない!」

敬雄は静かにうつむき、涙をぬぐいながら、かすかに声を漏らした。

「そうか、お前は本当に俺たちをいらないんだな……」

夕陽が西に沈む中、私は背を向け、さっぱりと去った。未練はなかった。

その後、敬雄はついにサインをし、離婚した。

その後の日々、私は仕事に専念し、生活はシンプルで穏やかだ
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