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第1009話

Author: かおる
その時、彼は額に汗をにじませながらも、表情は冷え切り、態度はきわめて硬かった。

「星野さん、翔様がお戻りになるようお呼びです」

星は微笑んだ。

「ええ、ちょうどガソリンも切れましたし。

お手数だけど、お願いするわ」

秘書は一瞬、言葉を失った。

あれほど車をひっくり返し、街中を大騒ぎにした張本人が、ここまで素直に応じるとは思っていなかったのだ。

彼は背後に控える屈強な護衛たちに目配せをする。

護衛たちはすぐに察し、星たちへと距離を詰め、逃走を防ぐ態勢を取った。

星はそれを見ても意に介さず、静かに車へ乗り込む。

彩香は彼女と共に後部座席へ、仁志は助手席へ座った。

車が走り出すと同時に、後続車が素早く周囲を固め、再び車を奪って逃げられないよう完全に包囲する。

だが道中、星は一切の抵抗も見せず、あまりにも従順だった。

それがかえって秘書の神経を張り詰めさせる。

――いつ、また何か仕掛けてくるか分からない。

車が雲井家の邸宅に入ってようやく、彼は胸を撫で下ろした。

星、彩香、そして仁志が中へ入ると、応接間には雲井家一同だけでなく、怜央と優芽利の姿もあった。

星を
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