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第375話

Author: かおる
観客席のあちこちで、囁きが飛び交った。

「この女性、話し方も立ち居振る舞いも、とても中卒とは思えないな。

何か勘違いしているんじゃないか?」

「いや、間違いない。

彼女は神谷雅臣の元妻で、家柄も後ろ盾もなく、学歴も低いと聞いた」

「でも、人の素養って隠せるものじゃないだろう?

どう見ても、場慣れしていない人間には見えない」

「ふん、どうせ見せかけだろ」

――賛否入り混じるざわめき。

悠の眼差しに、陰湿な光が走った。

「つまり、あなたは不正をしたことを認めないと?」

星は真っ直ぐに顔を上げ、堂々と観客席を見渡した。

「はい、私は認めません」

舞台袖で清子は、勇がまたスマホをいじり始めたのに気づき、嫌な予感に右のまぶたがぴくりと跳ねた。

「勇、何をしてるの?」

「配信だよ」

勇は得意げに笑った。

「星のファンに、彼女がどれほど恥をかくのか見せてやるんだ」

清子は慌てて制した。

「やめておいたほうがいいわ。

雅臣が電話を終えて戻ってきたら、またあなたを叱るわよ」

今回は本心からの忠告だった。

これまで勇が配信するたび、星が辱められるどころか、逆に注
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