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第398話

Author: かおる
星はしばし黙り、静かに口を開いた。

「わかったわ。

すぐ向かう」

スタジオ。

壁には無惨にペンキが塗りつけられ、音楽機材は壊されて散乱していた。

彩香の顔は険しく、凛も目を伏せていた。

自責と不安に揺れる声で凛がつぶやく。

「......やっぱり、私、別の仕事を探した方がいいのかもしれません」

このところ何度も門前払いを食らい、ようやく掴んだ仕事だった。

ここを失えば、もう演奏の仕事にはありつけず、飲食店でピアノを弾くような仕事しかないかもしれない。

諦めかけていたときに出会ったのが星と彩香。

やっと運が巡ってきたと思った矢先の惨状――これでは不安にならないはずがなかった。

彩香は手を振った。

「星が来てから考えましょ。

これはあなたのせいじゃないかもしれないし」

三十分後、星がスタジオに姿を現した。

「他の階はどうなってる?」

彩香が答える。

「外壁や扉にはペンキをかけられたけど、中は無事よ。

荒らされたのは私たちの階だけ」

星は驚きも怒りも見せず、ただ淡々と頷いた。

「狙いははっきりしてるわね」

凛がおずおずと口を開く。

「星野さん..
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