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第1061話

Penulis: 心温まるお言葉
病院へ向かう車の中で、和泉夕子は霜村冷司から事情を聞いた。

白石沙耶香は柴田夏彦に薬を盛られ、助けを求めて逃げ出したらしい。ところが、運悪く酔っ払った男に捕まって、近くの茂みに引きずり込まれ、乱暴されそうになったそうだ。幸い、必死に抵抗したことで、どうにかこうにか最悪の事態は免れたそうだ。

それを聞いて、和泉夕子は怒りで目が真っ赤になった。「柴田さんが、そんな人だったなんて?」

彼女は柴田夏彦が白石沙耶香の先輩であり、少なくとも江口颯太のように白石沙耶香を騙すような男ではないと思っていたのに、まさか彼は江口颯太よりも酷い男だった。

霜村冷司は顎に手を当て、冷たい瞳に殺意を宿らせていたが、和泉夕子の言葉には答えず、ただ彼女の手を優しく叩いて慰めた。

病院に着くと、和泉夕子はすぐに車のドアを開け、救急へと走って行った......

意識が戻った白石沙耶香は、体が軽くなり、熱も下がったのを感じて、安堵のため息をついた。

彼女はゆっくりと目を開け、ベッドの傍らに座っている人影を見つめた。深くて赤い瞳と目が合った。

恥ずかしそうに視線を逸らそうとしたが、彼の手が自分の手を強く握りしめていることに気づいた。手汗をかいている。長い時間、握られていたのだろう。

白石沙耶香は数秒間迷った後、手を引こうとしたが、霜村涼平は彼女の手に力を込めた。白石沙耶香が彼を見上げると、彼は眉をひそめて口を開いた。

「他にどこか具合が悪いところはあるか?」

白石沙耶香は首を横に振り、霜村涼平の手を見た。

「今は触らないでほしい」

今の自分は、汚れている......

霜村涼平は数秒間彼女を見つめた後、手を放した。

白石沙耶香は窓の外に視線を向け、何も言わなかった。

霜村涼平は、かける言葉が見つからず、ただ彼女を見つめることしかできなかった。

二人が沈黙している中、和泉夕子が飛び込んできた。

「沙耶香!」

和泉夕子の声を聞いて、白石沙耶香の生気のない目に、わずかに光が灯った。

「夕子......」

白石沙耶香の腫れ上がった顔、首の絞められた跡、額の傷、そして包帯で巻かれた手を見て、和泉夕子は胸が張り裂けそうになった。

彼女は白石沙耶香を抱きしめ、背中を優しく撫でながら慰めた。

「沙耶香、大丈夫よ。もう何も怖くないわ」

今まで泣かなかった白石沙耶香だったが、和泉
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