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第1478話

Auteur: 心温まるお言葉
数多の神に自分の命と引き換えに和泉夕子を助けてくれ、と祈った。今、神々は命は返してくれたものの、和泉夕子の記憶は奪って行ったようだ。彼女は記憶と命を交換したことによって、目を覚ましたのだ。

そう自分に言い聞かせたものの、何故か霜村冷司は笑いが止まらなかった。まるで十数年間、経験してきた全てが、儚い夢だったように......

やつれた顔、充血した目、そして苦笑いを浮かべる彼を見て、和泉夕子の心臓は縮こまり、苦しく締め付けられた。

心臓に何か異変が起きたと思った彼女は、手を当ててみた。すると異様な痛みはすぐに消えた。その隙に桐生志越はもう一方の手を解く。

「夕子、もう旦那さんが戻ってきたんだ。彼とゆっくり話をしなよ。僕はこれで失礼するから。また近いうちに来るからね」

桐生志越が踵を返そうとすると、和泉夕子は焦って彼を呼び止めた。

「志越、行かないで。彼のことは覚えていないの。一人にしないで、怖い」

怖い。

その一言が霜村冷司の心臓に突き刺さり、身動き一つできなくなった。太い釘が心臓を貫通し、じわじわと命を蝕んでいくのを、ただ感じるしかなかった......

ベッドに寄りかかっていた霜村冷司は、しばらく沈黙した後、濃い睫毛を伏せて、恐怖に満ちた女性を見つめた。「私が怖いのか?」

和泉夕子は彼自身ではなく、見知らぬ存在に対する恐怖を感じていた。しかし、それをどう表現すればいいのか分からず、沈黙を選んだ。そして助けを求めるように、桐生志越に視線を向けた。

霜村冷司は、彼女が桐生志越をどれほど愛していたのか、これまで見たことがなかった。夢の中で彼の名前を呼ぶのを聞いたことはあったが、今、実際に目にしたことで、霜村冷司は今までの全ての信念を失った。

彼は気付かぬうちに、爪が皮膚を切り裂き、血が滲み出るほど強くシーツを握りしめていた。痛みを感じた霜村冷司は握りしめていた手を緩め、ゆっくりと身体を起こす......

彼は困惑と絶望を滲ませながら、桐生志越に言った。「私がいると彼女を怖がらせてしまう、だからここに残って彼女に付き添ってくれないか。私は......帰る」

そう言った途端、霜村冷司の目は潤んだ。彼らに見られないように、膝の痛みとふらつく体を支えながら、壁に手をついて、背を向けた。

よろめく後ろ姿を見て、和泉夕子の心臓は再び痛み出した。今度は、霜村
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