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もう待たない

Penulis: 影畑凛星
last update Tanggal publikasi: 2026-08-17 18:05:07

 翌日。

 美月は藤崎の事務所を訪れていた。

「お待たせしました」

「いえ。今日はありがとうございます」

 向かいに座った藤崎へ、美月は頭を下げる。

 テーブルの上には、昨日見つめていた離婚届が置かれていた。

「朝倉さんのお気持ちは、変わっていませんか?」

「はい」

 美月は迷わず答えた。

「離婚したいです」

 藤崎は頷く。

「分かりました」

「ご主人が協議離婚に応じない以上、次の方法を考えていきましょう」

「次……」

「このままご主人の気が変わるのを待ち続ける必要はありません」

 その言葉に、美月は離婚届へ視線を落とした。

 拓也が書いてくれるまで待つ。

 以前なら、それしかないと思っていたかもしれない。

 けれど、もう違う。

「私、待ちたくありません」

 美月は顔を上げた。

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     翌日。 美月は藤崎の事務所を訪れていた。「お待たせしました」「いえ。今日はありがとうございます」 向かいに座った藤崎へ、美月は頭を下げる。 テーブルの上には、昨日見つめていた離婚届が置かれていた。「朝倉さんのお気持ちは、変わっていませんか?」「はい」 美月は迷わず答えた。「離婚したいです」 藤崎は頷く。「分かりました」「ご主人が協議離婚に応じない以上、次の方法を考えていきましょう」「次……」「このままご主人の気が変わるのを待ち続ける必要はありません」 その言葉に、美月は離婚届へ視線を落とした。 拓也が書いてくれるまで待つ。 以前なら、それしかないと思っていたかもしれない。 けれど、もう違う。「私、待ちたくありません」 美月は顔を上げた。「拓也が納得するまで待っていたら、いつになるか分からないから」「そうですね」「私はもう、戻るつもりはありません」 言葉にすると、自分の気持ちがさらに明確になった。 藤崎は今後の手続きについて説明していく。 美月は一つずつ確認しながら話を聞いた。 難しいことも多い。 すぐに離婚できるわけではない。 それでも、前へ進む方法はある。 そう分かっただけで、昨日まで感じていた閉塞感が少し薄れた。 話を終え、事務所を出る。 外へ出ると、少し離れた場所に蒼真の車が停まっていた。 美月が近付くと、蒼真が車から降りてくる。「お疲れさまでした」「ありがとうございます。待たせてしまいましたか?」「いえ」 蒼真はそれ以上、何を話したのか尋ねなかった。 美月が自分から話すまで待ってくれている。 そのことが今はあり

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