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第 241 話

last update publish date: 2026-10-02 14:57:50
財務院記録室には、朝から人の声が少なかった。

いや、正確には声そのものはある。

紙を運ぶ書記官の短い返事。

帳簿棚の鍵を求める係官の声。

数字を読み上げる監査補佐の低い声。

遠くで誰かが咳払いする音。

けれど、誰も余計なことを話さない。

昨日までなら聞こえていたはずの雑談が、今日は消えていた。

理由は分かっている。

確認費。

その言葉が、財務院の空気を悪くしていた。

エリオット・グレインは、古い帳簿を机の上に置いた。

若手監査官。

それが彼の肩書きである。

まだ財務院内では軽い立場だ。

意見を求められることはあっても、最終判断をする席
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