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第389話

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彼の声は冷たく、感情がこもっていなかった。

「かしこまりました」

特別補佐はそれ以上何も言わず、音もなく退室した。

明成バイオ。

退勤後、静奈がビルを出ると、見慣れた黒いセダンが路肩に停まっていた。

謙が車にもたれていた。

シンプルな白シャツとスラックスが、夕暮れの中で彼を際立たせている。

「浅野先生?」

静奈は足を止め、意外そうに近づいた。

「どうしてここに?」

「通りかかったんだ」

謙は何食わぬ顔で助手席のドアを開けた。

「事件に進展があった。乗りなさい、話すよ」

静奈は頷き、車に乗り込んだ。

シートベルトを締めながら、我慢できずに聞いた。

「どんな進展ですか?」

彰人がまた裏で手を回したのではないかと、不安だった。

謙はハンドルを握り、前を見据えていた。

「公判の日取りが決まった。今週の金曜、午前九時開廷だ」

ついに裁判だ。

静奈の心臓が縮んだ。

反射的に聞いた。

「彰人が……またプレッシャーをかけてくるでしょうか?」

彼の手段は知っている。

前回の逆転劇のトラウマがまだ消えていない。

「安心しろ」

赤信号で車が止まると、謙は平
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