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第649話

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「嘘だ……そんなはずはない……」

政宗はよろめきながら一歩後ずさりし、書斎の机にぶつかって灰皿をひっくり返した。

灰色の煙の灰が床に散らばった。それはまるで、彼の今砕け散った信念のようだった。

彼は机の縁にすがり、指が白くなるほど力を込めたが、心臓の奥深くから広がる震えを止めることはできなかった。

才子は、大混乱に陥る彼の様子を見て、笑いながら、やがて涙を流し始めた。

「政宗、これで分かったでしょう?あなたが何十年も大切に愛してきた女は、実はあなたのことなんて微塵も愛していなかったのよ。あの女はあなたを恐れ、あなたを煩わしく思い、死を装う芝居に協力してでも、あなたから逃げたかったのよ。

自分の深く愛する人に裏切られる味……どう?辛いでしょ?」

静奈は毎日、規則正しく仕事をこなしていた。

彼女は、謙がそばにいる生活にゆっくりと慣れ始めていた。

竹政は依然として彼女の視界に現れた。

しかし彼女の態度は明確で確固たるものであり、常に彼と距離を保ち、一線を越える隙を一切与えなかった。

あの洗面所での腹を割った対話以来、晴美が時折向けてくる視線は相変わらず複雑で読み取れなか
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