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第851話

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静奈は慌てて手を振った。

「いいの、いいの。仕事が忙しいんでしょ。付き添わなくていいわ。リナがいてくれれば十分だから」

湊は一瞬驚き、心に言葉にできない喪失感が湧き上がった。

静奈がわざと自分を遠ざけようとしているのが分かった。

彼女は……本当にこの機に乗じて離れようとしているのだろうか?

湊は心底の渋さを抑え込み、口角を引きつらせて、できるだけ平穏な声を出そうと努めた。

「分かった。じゃあリナに付き添わせよう。だが安全のために、必ずボディガードを後ろにつけるからな」

「うん、分かってるわ」

静奈は目を細めて笑い、目には喜びが満ちており、彼の落胆には少しも気づいていなかった。

静奈とリナが出かけると、広いリビングは瞬時に空虚で静かになった。

湊は一人ソファに座り、長く沈黙し、指先が次第に冷たくなっていった。

彼はいつものように車で会社へ向かったが、すぐには上がらず、車の中でタバコを次々と吸い、目には疲労と葛藤が満ちていた。

立ち上る煙の中で、彼は何度も自分に言い聞かせた。もし静奈が本当に去るのなら、絶対に引き留めない。ただ密かに人員をやって彼女を守り、安全に目的
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