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第196話

مؤلف: 八雲詩乃
司も、その異変には気づいていた。

「どうして、みんなあんなに急いで帰るんだ?それに、帰る前には必ず俺のほうを見る」

若葉には、その理由がおおよそわかっていた。

これほど立場の高い人が、しかもいつもの冷たい表情でそこに座っていれば、社員たちが緊張するのも無理はない。帰り際にわざわざ視線を向けるのは、司の機嫌を確かめたいからなのだろう。

それとも……

「格好いいから、見てるんだと思う」

「へえ」

司は指先で軽くテーブルをたたきながら、若葉をじっと見つめた。

「君も、俺のことを格好いいと思う?」

「え?」

若葉は戸惑った。

どうして急に、自分がどう思っているかという話になるのだろう。

さっき言ったのは、ほかの社員たちが司を格好いいと思っているから見ているのではないか、という意味だった。

だが、ここまで聞かれて否定するのも不自然だ。

それに若葉自身、司のことを格好いいと思っているのは事実だった。

「うん」

若葉は素直にうなずいた。

その瞬間、司の機嫌は目に見えてよくなった。

少し身を乗り出し、肘をテーブルにつく。

「女性から見ても、好かれるタイプだと思う?
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