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第990話

Author: 浮島
憎しみと恩が入り混じり、蒼空の頭の中は絡まった糸のようにぐちゃぐちゃだった。

彼女は目を閉じ、深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。

どんな理由があろうとも、自分のせいで瑛司に何か不幸なことが起きるのだけは、絶対に望んでいない。

小春は少し離れたところに立ち、複雑な眼差しで蒼空を見ていた。

蒼空がどれほど葛藤しているか、小春には分かる。

こんな状況、誰の身に起きても、簡単に気持ちを整理できるはずがない。

蒼空は最後にもう一度、何度か瑛司を見つめ、視線を引いて立ち去ろうとした、その時だった。

背後から声がかかる。

「関水社長?」

振り返ると、スーツ姿で眼鏡をかけた若い男性が立っていた。

蒼空には見覚えがあった。

瑛司のアシスタントだ。

ただ、彼女がまだ摩那ヶ原にいた頃には見かけなかった人物で、おそらく彼女が摩那ヶ原を離れた頃に就任したのだろう。

瑛司は今も集中治療室にいる。

蒼空は一言、尋ねた。

「仕事の方は大丈夫ですか?」

アシスタントは少し沈黙し、答えた。

「松木社長がこちらに来てからの仕事は多くなく、すべてはすでに処理済みです。本来なら、数日前には
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