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橘を残す方法

Penulis: 影畑凛星
last update Tanggal publikasi: 2026-08-24 10:49:04

 父と橘を見送ったあと、綾香はしばらくその場に立っていた。

(橘を一緒に行かせるわけにはいかない)

 橘が理央に協力しているとは限らない。

 むしろ、これまでの様子を見る限り、綾香のことを気遣ってくれているようにも思える。

 それでも、理央の父親だ。

 何も知らないまま、息子に父の滞在先を話してしまう可能性だってある。

 今は少しでも危険を減らしたい。

(でも、お父様に橘を連れて行かないでなんて言ったら……)

 当然、理由を聞かれる。

 うまく説明できる自信はなかった。

◇◆◇

 その日の午後。

 綾香は静養先を探しながら、別のことも考えていた。

 どうすれば、父だけを屋敷から離せるのか。

「……付き添いがいらない場所?」

 一か月も滞在する。

 父一人では不便だから橘を連れていく、という話になるのなら。

 最初から身の回りのことをすべて任せられる場所にすればいい。

 食事。

 掃除。

 洗濯。

 必要なら荷物の受け取りや車の手配まで頼める。

 普通の温泉旅館より、長期滞在に対応したホテルの方がよさそうだ。

(それなら、橘がいなくても困らないわよね)

 綾香は検索条件を増やした。

 
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