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26.レイカ

last update آخر تحديث: 2025-09-24 21:38:52

 今夜泊まるヤオマン・インに行く前にコンビニに寄った。

洋食屋でエビフライをかじった時に犬歯が抜けた跡を思いっきり刺激してしまい、それからずっと疼痛が続いている。

そのせいでせっかくスイーツ棚の前にいるのに楽しい気分になれない。

いつもならスイーツを大量に籠に放り込んでこんなに誰が食べんの? ってなるのに、夜食用のおにぎり2つとすっきり濃いすぎ緑茶だけで会計を済ませて終わった。

ついでにATMで現金を下ろす。ホテルの支払いのためだ。

 ヤオマン・インのフロントで、

「先ほど鞠野で予約した者です」

 と言うとフロントマンが私とDのことを見比べた後、端末を操作し出した。

「ダブルのお部屋でお取りしています。お支払いは?」

「現金で」

 Dが財布から出した渋沢2枚に同額を乗せて払った。

2日でホテル代3万、新幹線代を合わせると4万、底辺作家には痛い出費だ。

来月バイトしないと電気代が払えなくなりそう。

 カードキーをもらって部屋へ向かう。部屋は12階だった。

見覚えのある赤絨毯の廊下を歩いて、突き当たりの一つ前の部屋だった。中に入ると想像以上に広かった。

真ん中に白いシーツのダブルベッドが鎮座していた。大量の枕が置いてある。

カップルだったら一瞬でテンションが上がるだろうけれど、私たちはそうでないので微妙な空気が流れただけだった。

荷物を置いて窓からの景色を見ると駅前の賑わいが下にあった。

ホテルがあるのは洋食屋とは反対側なので見えるのはビルばかり、さっきの山脈は見えなかった。

「順番でシャワーにしましょう」

 Dがレストルームの中を覗いて言った。

「ミヤミユからどうぞ」

 私はもう少し落ち着いてからがよかった。

 Dがシャワーをしている間、スマフォを見た。Xのアプリを開いて、昨晩無断で更新を休んだことに対するフォロワーの反応を探したが一つもなかった。

無名作家が勝手に決めた更新日程など、誰も気にとめてはいないのだ。

今更と思いつつ、事情によりしばらく更新を休みにする旨をポストした。

それにはすぐにいいねがついたけど、それは内容を見たわけではなくいわゆる脊椎反射なのだ。

LINEアプリの通知カウントが増えていたけれどヨーコからのものはなさそうなので開いて見ることはしなかった。

シャワーをしたのは12時を過ぎてからだった。

バスタブに座って滝行のようにシャワーに打たれてい
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  • 少女がやらないゲーム実況   57.螺旋の中心へ

     私たちはヘッドランプを消し螺旋の中心に向かうべく蛭人間の列に近づいて行った。寸劇さんたちは暗視ゴーグルを装着していたが、私たちは持っていないので寸劇さんの腰に結わえたトラロープに頼ってついて行った。 下草の上を生臭い風が渡って行く。グアン、グアン、グアン、グアン。一定間隔で獣の唸り声が繰り返し聞こえている。その声は右から左に移動するように響いていた。「痛っ!」 暗闇の隣でDの声がしたと思ったら強い力で肩を掴まれた。寸劇さんの前に出てしまったのだった。「やつらこっちに気づいているのに攻めてこない」 寸劇さんが囁いた。目は私たちを追っているけれど隊列をくずそうとしないそう。「鎌爪でがっちり連結してる」 とサーリフくん。「攻めるつもりがないんじゃないか?」 サダムさんが言った。「サダム、グレネードを最長距離で投擲。暗視ゴーグル外せ」 寸劇さんの指示でサダムさんが動いた。しばらくすると、数十メートル先で白い光が点滅しだした。先ほどから聞こえている獣の唸り声が青墓に盛大に響く。 光の中の蛭人間は、隣同士で腕を交差させお互いの体に鎌爪を突き刺して連結していた。投擲した光源を見ているようだったが、列を崩そうとはしない。「動けないみたいだな」 光が消えて暗闇になった。「ヘッドランプに変更。お二人もつけていいぞ」 目の前が明るくなった。「偵察に行く。サーリフ俺と一緒に来い」 寸劇さんとサーリフくんが体を低くして蛭人間の列に近づいて行った。それを感づいた蛭人間の唸り声がまた大きくなったが、寸劇さんたちに襲い掛かる様子はなかった。 蛭人間の列にぎりぎりまで迫った寸劇さんが、シャムシールの切っ先で膨れ上がった腹を突き刺した。蛭人間は寸劇さんを見下ろしてはいるが、されるがまま動こうとはしない。シャムシールを引き抜くと、今度は正面に立って手で膨れた腹をたたき出した。それでも蛭人間は反抗すらしなかった。サーリフくんに至っては、腕を掴んで肩に登ろうとしていた。 寸劇さんは戻ってくると、「どうやら奴らは構造体と化しているようだ」 つまり普段のスレイヤー・Rのエネミーではないという事らしかった。「それならあたしだけで行きます」 とDが言ったが寸劇さんは、「いや、中がどうなっているかわからない。一緒に行く」 と返した。 私

  • 少女がやらないゲーム実況   56.螺旋のビジョン

     青墓は蛭人間であふれ、マップアプリを真っ赤に染めるほどだった。その赤い点滅の渦が収束する中心点が私たちの目的地。ミサさんが実況していそうな場所だった。ただ、ビーコンの位置はあやふやで、ミサさんがそこにいるかどうかははっきりとしていない。危険度MAXの渦の中心に行くからには確信が欲しかったのでDに聞いてみた。「今ミサさんの実況は見れないの?」 実況が見られたら倉庫の広場にいるかわかるかもしれない。「実況はリアタイで配信できないんです」 配信前に運営の検閲が入るのだそう。「そのせいでスマフォもカメラもヤオマン製しか持ち込めません」 サーリフくんが頭が目玉のオヤジになったスティックカメラを見せてくれた。「まあ、人が死ぬのを流されてもな」 とサダムさんがさらっと言ったのが余計に怖かった。そういうシチュエーションを何度も見て来たように聞こえたからだ。「隊列」 寸劇さんの抑えた号令で三角隊形を組む。近くに蛭人間の気配を感じて身を低くする。寸劇さんのフィンガーサインでみんなが前方を見た。 樹海の下草の先に蛭人間の壁があった。体を密着させて延々並んだ様子は、まるでそこから向こうに行かせないかのようだ。「マップを」 寸劇さんの指示でサーリフくんがマップを出す。マップを見ると渦の様子が変わっていた。蛭人間の赤い列が弧を描きながら中心に向かって続いている。「一つを突破しても、すぐに壁に当たるな」 サダムさんが眉間に皺を寄せている。この突破はかなり難易度が高いようだった。 「メンバー優先の観点からここは撤退する」 寸劇さんの判断は早かった。そう宣言されたら私はもう反対できなかった。寸劇さんたちが後退を始めた。私もそれについて行こうとしたらDが、「ここまでありがとうございました。あたしは一人で中心に行きます」 私は振り返りDの顔を見た。悲痛な顔をしているかと思ったら、あんがいさっぱりした表情をしていた。ことの重大さが分かっていないのかと思って、「無理だよ。一旦引こう」 Dはそれを聴き入れず、「タケルさんは、安全な場所で待っててください。ミサはあたしがきっと連れ帰りますから」 寸劇さんたちも立ち止まってDを見た。すると寸劇さんがDに、「勝算は?」 と聞いた。「あります。ビジョンです」 ベッド・イン・ビジョン

  • 少女がやらないゲーム実況   55.蛭人間の渦

     私とDは寸劇さんのパーティーに守られて青墓の樹海を進んでいた。先頭に寸劇さん、私たちの両脇をサーリフくんとサダムさんが固めていてくれた。 それにしても寸劇さんはデカかった。見上げる巨大な背中は屏風岩のようだ。時折緊張した筋肉がビシビシと音を立てる。これはどんな音だろうと思いながら小説で書いたのだったが、実際に聞けたのは嬉しかった。「団長、これ見てください」 サーリフくんが隊列を崩し前に進み出るとスマフォを寸劇さんに差し出した。寸劇さんはそれを見て、「ゆゆしき事態だな」 停止の号令をかけた。そしてそれをみんなに見せるよう指示した。サーリフくんのスマフォには画面いっぱいに赤い光の点がひしめき脈動のように点滅してた。 それはスレイヤー・R専用のマップアプリで、参戦しているスレイヤーたちに青墓に放たれた蛭人間の位置情報を知らせるためのものだった。普段なら、広い青墓全体で十数体の蛭人間しか出現しないので重宝されているが、この表示ではまったく役立たずだった。「500体か。たしかにゆゆしいな」 サダムさん言った。「これ既視感あります」 Dが私に囁いた。私もそれを感じていた。小説で寸劇さんたちのパーティーが壊滅した晩も同じように青墓中に蛭人間が溢れかえったのだった。3人は一晩中蛭人間の攻撃を受けそれに堪えて生き延びる。しかし、朝になって休息を取っているところをヴァンパイアの襲撃に遭って全滅する。「ミサを探されたくないのかも」 Dが青墓の森の木を見上げながら言った。 これもまた繰り返しならば、それが辻沢の意志なのかもしれなかった。 サーリフくんが、スマフォの赤い点滅を指して、「この渦の中心って、倉庫の広場ですよね」 マップの赤い点滅はゆっくりと渦を描いていた。その渦の中心がミサさんが実況拠点にしている場所で、渦はそこに向かって収束しているのだった。つまり蛭人間はミサさんを集中攻撃している?「いそぎましょう」 Dが寸劇さんを促した。それに寸劇さんは少しムッとした顔をしたが、このパーティーの目的を悟って莞爾と笑い、「まあ、待て。やみくもに前進してもやられるだけだ」 とマップ画面を指して、「この渦には風車のように蛭人間が密なところと疎なところがある。我々はこの疎を目指して中心に到達する」 言い終わると寸劇さんはDに目配せ

  • 少女がやらないゲーム実況   54.スレイヤー・R開幕

     ヒイラギ林の流砂帯を抜けて青墓の本体に足を踏み入れたら一段と寒く感じた。着ているものを通して冷気が体を撫ぜていく。ヘッドランプの光が届かない暗闇の中に禍々しい物が蠢いているようで怯えながら進む。青墓の杜の道はどこも積もった朽ち葉がぐにゃぐにゃしていて歩きにくい。 私とDは寸劇さんのパーティーについてスレイヤー・Rの会場を目指している。 私の前を歩くサーリフくんが、「チケットなしだとポイントどうなるんでしょう?」「未登録扱いだからいくら蛭人間を倒してもチャラだろう。最悪垢BANもある」 しんがりのサダムさんが答える。そのまましばらく沈黙したまま隊列は進み、ちょうど横からの獣道と交差する地点に来た時、先頭の寸劇さんが立ち止まり、「だな」 と振り返って言った。 一行はそこで二回目の休息を取ることになった。寸劇さんたちは、その場で今夜のスレイヤー・Rの位置づけを話し合っっていた。私とDはその側に腰掛けて待っていたいたが、急に寸劇さんが、「あんたらもどうするつもりだったんだ?」 と聞いてきた。私はどうもこうもなかったのだが、Dが、「あたしたちは人探しに来たんです」「いるなそういうの」 寸劇さんはスレイヤー・Rで人がいなくなるなんて珍しくもないといった反応だったが続けて、「写真あるか?」 と聞いてきた。それでDはスマフォを出してミサの写真を見せた。「ピンク髪女子か。この子なら何度か見かけたことがある」 とそのスマフォをDの手から取って他の二人にも見せた。それにサーリフくんは、「見たことがあります」 サダムさんは少し眉間に皺を寄せて、「俺も知ってる」 と言ったのだった。Dはそれを聞いて何か言いかけたのだが、寸劇さんが制して、「探すのを手伝おう」 と言った。 それでまずミサの情報を寸劇さんたちと共有することになった。・ピンク髪(染めている)で黒いメイド服を着ていて背格好はDくらい。・行方不明になったのは2週間前の定例。・ビーコンがあるが位置は青墓ということしか分らない。・LINEの既読はなし 情報を確認しての寸劇さんの感想は、「生きてる保証はないな」 私が思っていても口にできなかったことを寸劇さんは言った。Dは何か言い返そうとしたけれど声が出ず拳を固く握ったまま下を向いてしまった。 スレイヤー・Rは非

  • 少女がやらないゲーム実況   52.流砂脱出

     私とDはスレイヤー・Rのために張られた青墓の規制を回避するために、人が踏み込まない流砂地帯を抜けることにした。ヒイラギ林までは獣道を通って順調にこれたのだったが、流砂地帯に入った途端、私は足を滑らせて流砂穴に落ちてしまった。「タケルさん、動かないで!」 先を歩いていたDが私が落ちたことに気が付いて言った。「でも」 ふつふつと沸き立つ砂が足を呑み込み、どんどん中に引きずり込もうとする。じっとしていたらそのまま頭の先まで沈んでしまいそうだった。 私は摩擦を増やせば少しは呑み込む速度が減るかと思って砂の上に上半身を投げだした。顔に吹きかかる砂で息がしづらくなって余計に怖くなってしまった。起き直そうとして両手を砂に付くと、今度は両手が砂に呑み込まれて行く。一番やってはいけないことをしてしまったと後悔したけれどもう遅かった。次に浮上する時は屍人になっているに違いない。「これ掴んで!」 Dの叫び声がした。ヘッドランプの先に黄色と黒の縄が飛んで来た。私とDの絆、トラロープだった。私は砂に引きずり込まれつつある片手を伸ばし、トラロープを掴みに行った。「とどかない!」 トラロープの先端は伸ばした手の数十センチ先だった。するとヘッドランプの光の輪からトラロープが消え、再び現れた時には、私の頭の上に掛かった。私は命のトラロープを掴んで引っ張った。ロープがピンと張られて助かったと思った直後、ロープが力なく砂に落ちた。もがいたせいで砂に胸まで埋まる。かろうじてロープは掴んだまま。「力が入らないです」 Dは左腕が利かないのだった。「どこかに結わえて!」「やってます!」 ロープがピンと張るのを待って体を引き上げる。砂の抵抗が大きくて体がなかなか抜けない。「ダメだ!」「fdjshgs!」 Dがわめいたが何を言ったのか分からなかった。すると急にロープがぐいぐいと引っ張られて、そのおかげで私は砂から体を引き出すことが出来た。ロープを頼りに流砂穴の縁まで来ると、腕を掴まれものすごい力で引っ張り上げられた。「大丈夫か?」 立ち上がって見ると遥か上に顔があった。2mを超える大男、寸劇さんだった。「どうして?」 スレイヤー・Rに参戦しに来たのじゃないのか?私の質問の意味が把握できなかったのか、寸劇さんはしばらく黙っていたが、「あ

  • 少女がやらないゲーム実況   51.お天道様の油注ぎ

     私とDは辻沢駅前のヤオマンカフェで、迷彩服姿のスレイヤー・Rの参加者がバスを待っているのを見ていた。その中に本当ならこの世に存在しない寸劇の巨人さんがいて、Dはそれを度々起こる「繰り返し」と感じ、私はビジョンの中にレイカを見た時の、―――辻沢の時間軸が狂い始めている。 を思い出したのだった。 バスの時間が来て私が立ち上げるとDが、「怖いです」 声が震えていた。「出直すかい?」 それにはDは首を振り、「ミサを探さなきゃだから」 とバックパックを担いで立ち上がった。 青墓行きの長い列に並んでバスに乗り込む。、「青墓北堺まで」(ゴリゴリーン)(ゴリゴリーン) 中は迷彩服でギュウギュウだった。寸劇さんは前のバスで行ってしまったらしく、搭乗していなかった。 私とDは後からの乗客に押されて車両の中ほどまでに押し込まれた。ガタイのいい男の中でバックパックを前に抱えたDは私に向かって立って、「すみません」 と私の左腕を掴んだ。 バスが発車して左右に揺られながらDの顔を見ると憔悴しきっていて、「あんたこれから大変な思いをするね」 という作左衛門さんの見立てを思い出してしまった。それでDが気がまぎれるようにクイズを出すことにした。「寸劇さんの前世の名前はなんだ?」 私を見上げたDは、なんで今? という顔をしたが、辻沢オタクの血が騒いだらしく、「まめぞうです」「正解。じゃあ、まめぞうの二つ名は?」「お天道様の油注ぎです」 と即答した。まめぞうは背が7尺半(230cm)もあるので「太陽に燃料を注ぐ人」と言われていたのだった。「正解。さすが」「この話好きなんです」 とDは微笑んで、「本当はタケルさんのおばあさまの綽名なんですよね」 祖母は誰にも聞かせたことがない女学生時代のことを私だけに話してくれた。「寮長の目を盗んで冷蔵庫の牛乳を飲んだ」「九条武子(大正三美人の一人)に似てると言われていた」(これは他の人には言ってはいかんよ) 等の話の中に、「背が高かったから級友から『お天道様の油注ぎ』と呼ばれてた」 というのがあって、それをキャラに使ったのだった。 そのことは小説の後書きに載せておいたのだが、Dは覚えていてくれたよう。 Dを慰めようとしたのに優しかった祖母を思い出して逆に私の方がほっこりしてしまった。

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