LOGIN「風の時代」のミステリーホラー WEB小説家と盗作女子大生のバディがバトルゲーム実況中に失踪した配信少女を追って架空の町、辻沢へ! オリジナル小説、辻沢シリーズの盗作を知ったWEB小説家たけりゅぬは 無名の自分が盗作されたことに薄気味悪さを感じスルーした。 盗作者Dから来たDMは謝罪でなく 「バトルゲーム実況中に失踪した友人を探してほしい」 たけりゅぬがバトルゲームが行われた辻沢に詳しいからだという。 架空の町、辻沢をまるで実在しているかのように言う盗作者。 その真剣さが怖いと依頼を断る。 改めてたけりゅぬが辻沢をネットで調べるうち 「辻沢行き」という都市伝説の存在を知り 興味をそそられ捜索を引き受ける事になる。
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※�は記号。環境依存文字のため文字化けしています
私たちはヘッドランプを消し螺旋の中心に向かうべく蛭人間の列に近づいて行った。寸劇さんたちは暗視ゴーグルを装着していたが、私たちは持っていないので寸劇さんの腰に結わえたトラロープに頼ってついて行った。 下草の上を生臭い風が渡って行く。グアン、グアン、グアン、グアン。一定間隔で獣の唸り声が繰り返し聞こえている。その声は右から左に移動するように響いていた。「痛っ!」 暗闇の隣でDの声がしたと思ったら強い力で肩を掴まれた。寸劇さんの前に出てしまったのだった。「やつらこっちに気づいているのに攻めてこない」 寸劇さんが囁いた。目は私たちを追っているけれど隊列をくずそうとしないそう。「鎌爪でがっちり連結してる」 とサーリフくん。「攻めるつもりがないんじゃないか?」 サダムさんが言った。「サダム、グレネードを最長距離で投擲。暗視ゴーグル外せ」 寸劇さんの指示でサダムさんが動いた。しばらくすると、数十メートル先で白い光が点滅しだした。先ほどから聞こえている獣の唸り声が青墓に盛大に響く。 光の中の蛭人間は、隣同士で腕を交差させお互いの体に鎌爪を突き刺して連結していた。投擲した光源を見ているようだったが、列を崩そうとはしない。「動けないみたいだな」 光が消えて暗闇になった。「ヘッドランプに変更。お二人もつけていいぞ」 目の前が明るくなった。「偵察に行く。サーリフ俺と一緒に来い」 寸劇さんとサーリフくんが体を低くして蛭人間の列に近づいて行った。それを感づいた蛭人間の唸り声がまた大きくなったが、寸劇さんたちに襲い掛かる様子はなかった。 蛭人間の列にぎりぎりまで迫った寸劇さんが、シャムシールの切っ先で膨れ上がった腹を突き刺した。蛭人間は寸劇さんを見下ろしてはいるが、されるがまま動こうとはしない。シャムシールを引き抜くと、今度は正面に立って手で膨れた腹をたたき出した。それでも蛭人間は反抗すらしなかった。サーリフくんに至っては、腕を掴んで肩に登ろうとしていた。 寸劇さんは戻ってくると、「どうやら奴らは構造体と化しているようだ」 つまり普段のスレイヤー・Rのエネミーではないという事らしかった。「それならあたしだけで行きます」 とDが言ったが寸劇さんは、「いや、中がどうなっているかわからない。一緒に行く」 と返した。 私
青墓は蛭人間であふれ、マップアプリを真っ赤に染めるほどだった。その赤い点滅の渦が収束する中心点が私たちの目的地。ミサさんが実況していそうな場所だった。ただ、ビーコンの位置はあやふやで、ミサさんがそこにいるかどうかははっきりとしていない。危険度MAXの渦の中心に行くからには確信が欲しかったのでDに聞いてみた。「今ミサさんの実況は見れないの?」 実況が見られたら倉庫の広場にいるかわかるかもしれない。「実況はリアタイで配信できないんです」 配信前に運営の検閲が入るのだそう。「そのせいでスマフォもカメラもヤオマン製しか持ち込めません」 サーリフくんが頭が目玉のオヤジになったスティックカメラを見せてくれた。「まあ、人が死ぬのを流されてもな」 とサダムさんがさらっと言ったのが余計に怖かった。そういうシチュエーションを何度も見て来たように聞こえたからだ。「隊列」 寸劇さんの抑えた号令で三角隊形を組む。近くに蛭人間の気配を感じて身を低くする。寸劇さんのフィンガーサインでみんなが前方を見た。 樹海の下草の先に蛭人間の壁があった。体を密着させて延々並んだ様子は、まるでそこから向こうに行かせないかのようだ。「マップを」 寸劇さんの指示でサーリフくんがマップを出す。マップを見ると渦の様子が変わっていた。蛭人間の赤い列が弧を描きながら中心に向かって続いている。「一つを突破しても、すぐに壁に当たるな」 サダムさんが眉間に皺を寄せている。この突破はかなり難易度が高いようだった。 「メンバー優先の観点からここは撤退する」 寸劇さんの判断は早かった。そう宣言されたら私はもう反対できなかった。寸劇さんたちが後退を始めた。私もそれについて行こうとしたらDが、「ここまでありがとうございました。あたしは一人で中心に行きます」 私は振り返りDの顔を見た。悲痛な顔をしているかと思ったら、あんがいさっぱりした表情をしていた。ことの重大さが分かっていないのかと思って、「無理だよ。一旦引こう」 Dはそれを聴き入れず、「タケルさんは、安全な場所で待っててください。ミサはあたしがきっと連れ帰りますから」 寸劇さんたちも立ち止まってDを見た。すると寸劇さんがDに、「勝算は?」 と聞いた。「あります。ビジョンです」 ベッド・イン・ビジョン
私とDは寸劇さんのパーティーに守られて青墓の樹海を進んでいた。先頭に寸劇さん、私たちの両脇をサーリフくんとサダムさんが固めていてくれた。 それにしても寸劇さんはデカかった。見上げる巨大な背中は屏風岩のようだ。時折緊張した筋肉がビシビシと音を立てる。これはどんな音だろうと思いながら小説で書いたのだったが、実際に聞けたのは嬉しかった。「団長、これ見てください」 サーリフくんが隊列を崩し前に進み出るとスマフォを寸劇さんに差し出した。寸劇さんはそれを見て、「ゆゆしき事態だな」 停止の号令をかけた。そしてそれをみんなに見せるよう指示した。サーリフくんのスマフォには画面いっぱいに赤い光の点がひしめき脈動のように点滅してた。 それはスレイヤー・R専用のマップアプリで、参戦しているスレイヤーたちに青墓に放たれた蛭人間の位置情報を知らせるためのものだった。普段なら、広い青墓全体で十数体の蛭人間しか出現しないので重宝されているが、この表示ではまったく役立たずだった。「500体か。たしかにゆゆしいな」 サダムさん言った。「これ既視感あります」 Dが私に囁いた。私もそれを感じていた。小説で寸劇さんたちのパーティーが壊滅した晩も同じように青墓中に蛭人間が溢れかえったのだった。3人は一晩中蛭人間の攻撃を受けそれに堪えて生き延びる。しかし、朝になって休息を取っているところをヴァンパイアの襲撃に遭って全滅する。「ミサを探されたくないのかも」 Dが青墓の森の木を見上げながら言った。 これもまた繰り返しならば、それが辻沢の意志なのかもしれなかった。 サーリフくんが、スマフォの赤い点滅を指して、「この渦の中心って、倉庫の広場ですよね」 マップの赤い点滅はゆっくりと渦を描いていた。その渦の中心がミサさんが実況拠点にしている場所で、渦はそこに向かって収束しているのだった。つまり蛭人間はミサさんを集中攻撃している?「いそぎましょう」 Dが寸劇さんを促した。それに寸劇さんは少しムッとした顔をしたが、このパーティーの目的を悟って莞爾と笑い、「まあ、待て。やみくもに前進してもやられるだけだ」 とマップ画面を指して、「この渦には風車のように蛭人間が密なところと疎なところがある。我々はこの疎を目指して中心に到達する」 言い終わると寸劇さんはDに目配せ
ヒイラギ林の流砂帯を抜けて青墓の本体に足を踏み入れたら一段と寒く感じた。着ているものを通して冷気が体を撫ぜていく。ヘッドランプの光が届かない暗闇の中に禍々しい物が蠢いているようで怯えながら進む。青墓の杜の道はどこも積もった朽ち葉がぐにゃぐにゃしていて歩きにくい。 私とDは寸劇さんのパーティーについてスレイヤー・Rの会場を目指している。 私の前を歩くサーリフくんが、「チケットなしだとポイントどうなるんでしょう?」「未登録扱いだからいくら蛭人間を倒してもチャラだろう。最悪垢BANもある」 しんがりのサダムさんが答える。そのまましばらく沈黙したまま隊列は進み、ちょうど横からの獣道と交差する地点に来た時、先頭の寸劇さんが立ち止まり、「だな」 と振り返って言った。 一行はそこで二回目の休息を取ることになった。寸劇さんたちは、その場で今夜のスレイヤー・Rの位置づけを話し合っっていた。私とDはその側に腰掛けて待っていたいたが、急に寸劇さんが、「あんたらもどうするつもりだったんだ?」 と聞いてきた。私はどうもこうもなかったのだが、Dが、「あたしたちは人探しに来たんです」「いるなそういうの」 寸劇さんはスレイヤー・Rで人がいなくなるなんて珍しくもないといった反応だったが続けて、「写真あるか?」 と聞いてきた。それでDはスマフォを出してミサの写真を見せた。「ピンク髪女子か。この子なら何度か見かけたことがある」 とそのスマフォをDの手から取って他の二人にも見せた。それにサーリフくんは、「見たことがあります」 サダムさんは少し眉間に皺を寄せて、「俺も知ってる」 と言ったのだった。Dはそれを聞いて何か言いかけたのだが、寸劇さんが制して、「探すのを手伝おう」 と言った。 それでまずミサの情報を寸劇さんたちと共有することになった。・ピンク髪(染めている)で黒いメイド服を着ていて背格好はDくらい。・行方不明になったのは2週間前の定例。・ビーコンがあるが位置は青墓ということしか分らない。・LINEの既読はなし 情報を確認しての寸劇さんの感想は、「生きてる保証はないな」 私が思っていても口にできなかったことを寸劇さんは言った。Dは何か言い返そうとしたけれど声が出ず拳を固く握ったまま下を向いてしまった。 スレイヤー・Rは非