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第261章 – 共に過ごす夜

Author: L'encre
last update publish date: 2026-07-28 14:13:13

彼女は目を閉じ、彼の愛撫に身を委ね、永遠に失われたと思っていた感覚を再び感じ取った。快感は、潮が引いてはより力強く戻ってくるように、波のようにゆっくりと、幾度となく押し寄せてきた。彼女は偽る必要も、役を演じる必要も、無理強いする必要もなかった。ただそこに存在し、心を開き、信頼すればよかったのだ。そして、この信頼、この絶対的な信頼こそが、最も強力な媚薬だった。

二人の体が一つになった時、それは征服ではなかった。それは出会いだった。勝者も敗者もなく、支配者も被支配者もいなかった。ただ、互いを自由に、完全に意識的に選び合った二つの存在が、肉体を通して、呼吸を通して、抑えきれないうめき声を通して、そして唇の端に浮かぶ微笑みを通して、その選択を祝ったのだ。

その後、二人はしわくちゃのシーツの上で指を絡ませながら、横たわった。呼吸は次第に落ち着いていった。窓は開け放たれたままで、夜の香りを帯びた新鮮な空気が部屋に入り込んだ。静寂は深く、遠くでナイチンゲールの歌声がかすかに聞こえるだけだった。

「大丈夫かい?」しばらく間を置いて、ジュリアンは尋ねた。

「ええ」と彼女は答えた。「今の私よりずっといい
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    その言葉は彼女に平手打ちのように突き刺さった。彼女は返事をしようと口を開いたが、言葉が出てこなかった。ジュリアンを見つめ、彼の目に理解の兆しを探したが、そこには怒りと疲労しか見当たらなかった。「不公平よ」と彼女はついに呟いた。「この協会が私にとってどれほど大切なものか、あなたは知っているはずよ。」「分かってるわ。ずっとあなたを応援してきたしね。でもここ数週間、あなたはどこか別の場所にいるみたい。ここにいても、本当はここにいない。協会のこと、書類のこと、これから開かれる会議のことばかり考えている。」「私が人生の意味を見出したことを批判しているのですか?」「私たちのことを忘れたのはあなたのせいだ。」その後に訪れた沈黙は、耳をつんざくほどだった。エリーズはうつむき、目に涙が溢れた。少なくとも部分的には、彼の言うことが正しいと分かっていた。彼女は家族や健康、そして恋人との関係を顧みず、身も心もすべてをこの団体に捧げてきた。しかし、そうする以外に選択肢がないことも分かっていた。この団体は彼女にとって単なるプロジェクトではなく、使命であり、天命であり、ほとんど執着に近いものになっていた。彼女が助けた女性一人ひとりが、かつての自分を思い出させ、彼女の苦しみが無駄ではなかったという確信を与えてくれた。彼女は、これらの女性たち、そして自分自身をも裏切るような気がして、この団体を手放すことができなかった。ジュリアンは彼女に近づき、肩に手を添え、優しく自分の方を向かせた。「エリーズ、君に協会を辞めろと言っているんじゃない。君自身のためにも、僕たちのためにも、バランスを見つけてほしいんだ。」「もし私ができなかったらどうしよう?」「だから、これまでと同じように一緒に捜索しよう。」彼女は何も答えられず、ただうなずいた。彼は彼女を腕の中に抱き寄せ、しっかりと抱きしめた。口論は解決していなかった――二人ともそれを分かっていた――が、緊張感はすっかり和らいでいた。時計の音と、木々の裸の枝をそよがせる風の音に癒されながら、二人はキッチンの静寂の中で長い間抱き合ったままだった。その後、ベッドに横になったとき、エリーズは眠れずに天井を見つめていた。ジュリアンは暗闇の中で彼女の手を握った。そのささやかな仕草は、どんな言葉よりも彼女を慰めた。

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  • 彼が手放した女性   第4章 – 目覚める前の不在

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  • 彼が手放した女性   第3章 – いつもと変わらない朝

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  • 彼が手放した女性   第2章 – いつもと変わらない朝

    鏡に映った彼女の顔は、まるで他人の顔だった。目の下には深いクマがあり、嵐の跡のように深い皺が刻まれている。顔色は青白く、蝋人形のようだった。くすんだ髪は慌てて後ろで結ばれ、肩に無造作に垂れ下がっていた。かつては、瞳が輝き、笑い声やエネルギー、そして皆の注目を集める輝きを人々が褒めてくれた頃を思い出した。「君はきっと成功するよ」と、ある日、聴衆を魅了した講演の後、恩師のグランデ氏は彼女に言った。そして、彼女は確かに遠くまで来た。ここまで。この冷たい浴室、この静まり返った家、そして、もはや自分が認識できない女性の姿を映し出すこの鏡の前に。彼女は何も考えずに歯を磨き、視線は一点を見つめ、心は別の

  • 彼が手放した女性   第1章 – いつもと変わらない朝

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