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第20話

Auteur: 栄子
「分かりました」保育士は背を向け、教室へと戻っていった。

園長は辰の手を引き、咲良の前に進み出た。そしてしゃがみ込み、その小さな頭を優しく撫でた。

「辰くん、ママが初めて会いに来てくれたのよ。嬉しいわね?」

辰はポカンとした顔で咲良を見つめ、眉をひそめながら、小鹿のような丸い目で彼女をじっと観察していた。

その瞳には、驚きと、そして戸惑いの色が浮かんでいる。

咲良は今、辰とほんの数歩しか離れていない距離にいた。

こうして間近で見ると、本当に圭吾に生き写しだ。

特に、眉をひそめた時のその表情は……

辰が完全に固まってしまい、園長は少し気まずそうに苦笑いした。

せっかく御堂夫人がお越しになったのに、このままでは夫人のご機嫌を損ねてしまうかもしれない。

園長はさらに熱心に辰を促した。

「辰くん、嬉しすぎてびっくりしちゃったかな? ほら、ママって呼んでごらん?」

園長が後ろから軽く背中を押すと、呆然としていた辰の小さな体が、前につんのめり、咲良にぶつかりそうになった。

咲良は咄嗟に手を伸ばし、彼が自分のお腹にぶつかるのを防ぐように、その細い腕を掴んだ。

辰が体勢を立
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