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第10話

Auteur: ありもも
「流産?」

その言葉を聞いた途端、遥斗の全身が凍りついた。

「無責任なクズ男に会ったそうで、その男は妊娠中のルビーさんを放っておくだけじゃなくて、ルビーが交通事故で大通りで流産した時でさえ、一度も見舞いに来なかったって......」

女子学生は憤慨して訴え続けた。遥斗は、彼女の言葉一つ一つが、まるで自分の顔を平手打ちしているかのように感じた。

遥斗の頭の中に、病院でルビーに会った時の光景がよぎる。

あの時、彼女の顔色は確かによくなかった。だが、彼は何をしていた?晶の妊婦健診に付き添っていた!

そしてあの日、ルビーが道に倒れて動けなくなった時、彼は彼女に目もくれず、晶の自殺を止めに駆けつけた。

彼女の妊娠、流産......彼は、何も知らなかった!

遥斗の心はぐちゃぐちゃになり、過去に戻って自分を殴りつけてやりたい衝動に駆られた。

「あの、ルビーがどこに入院しているか知っていますか?俺......彼女に会いに行きたいんです」

遥斗は最後の望みを胸に抱いていた。

これからはルビーをしっかり世話し、二度と彼女を置き去りにして晶の元へは行かない。彼女が許してくれるなら。

しかし、女子学生は残念そうな表情を浮かべた。「遅すぎました。ルビーさんはとっくに出院しましたよ。アフリカ支援プロジェクトに参加して、今頃は......もうアフリカに着いているはずです」

「なんですって?!」

遥斗の心の中で、最後の糸が、ぷつりと切れた。

遥斗はなりふり構わずあらゆる人脈を使い、大学のアフリカ支援プロジェクトの責任者を見つけ出した。夜中にその家を訪ね、制止も聞かなかった。

「慈善事業をしたいです!医療チームに六千万円......いや、二億円寄付します!」

遥斗の目は血走っていた。「唯一の条件は、医療チームが今いる場所へ連れて行ってくれることです!」

彼はこれまで、自分の心の中でルビーの存在がこれほどまでに大きいとは知らなかった。

もし二度とルビーに会えなかったら、これからの人生をどう生きていけばいいのか、考えることさえ恐ろしかった......

金の力はすぐに効果を発揮した。前払い金が振り込まれると、プロジェクト責任者はすぐに遥斗にリーダーとフライトを手配した。

リーダーの話では、ルビーが駐在している場所はアフリカのギニアにある小さな町で、そこへ行くには二
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