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第2話

作者: 小鹿
午前10時、白真は千紘を連れてジェットコースターとメリーゴーランドに乗った。

午前12時には昼食を終え、ホテルで休憩を取った。

午後4時、美術館の前で二人は記念写真を撮った。

一日も経たないうちに、千紘から私に10枚以上の写真が送られてきた。

どの写真にも、こんなメッセージが添えられていた。

【白真があなたと一緒にいる時、こんなに楽しそうだったことある?】

私はじんわりと痛む目元をこすり、返信はしなかった。

ただ、美術館の前で撮られた一枚を開いて、何度も何度も見返した。

学生の頃、私は美術が大好きだった。

最大の夢は美術大学に進学すること。

けれどあの日、大学入試の日、白真はかつてトラブルを起こした不良たちに囲まれて暴行されていた。

私はためらわず、ブロックを手に彼らへと飛び込んでいった。

彼らを追い払うことはできた。

けれど、私の足は折れてしまった。

白真に心配させたくなくて、私は「友達を待ってる」と嘘をついて、彼を試験会場へと送り出した。

そのまま私は受験を諦めることになり、家庭の事情もあって浪人もできず、適当な仕事で生計を立て始めた。

後になって真相を知った白真は、嗚咽まじりに泣き崩れた。

「誓うよ。将来、必ず最高の先生を探して、最高の画材を買って、君の夢を叶えてみせる......!」

そして彼は、本当に約束を果たしてくれた。

国内の有名な美術講師たちを揃えてくれて、数百個もの宝石を使って夢のような星空アトリエを家で作ってくれた。

けれど。

それが何だというのだろう。

私は写真の中の白真の頬に指を添え、そこに立っているのが自分であればいいのにと願った。

3ヶ月前、私は美術館で最新の展覧会が見たいと言った。

けれど彼はずっと「忙しい」と言っては断り続けていた。

今日になってやっと来た場所。

けれど一緒にいたのは、芸術に興味もない千紘だった。

私にとっては、夢以上に大切なものは白真だったのに。

でなければ、あの日、どうして命がけで助けたりしただろう。

この十年、どうして一言も文句を言わずに耐えてこれただろう?

「白真、あなたはホントにわかっているの......?」

「私が欲しいのは、同情じゃない。罪悪感から飼い殺しにされる鳥になりたいわけじゃない!」

気づけば、価値数億の星空アトリエを滅茶苦茶に壊していた。

残ったのは、一枚のスケッチブックと、絵の具のパレットだけ。

私は一度、白真に約束したことがある。

「いつか私たちの一番幸せな瞬間を、自分の手で描く」と。

筆を取って、スケッチブックを二つに分けて描いた。

一つは、足を抱えて地面に座り込んだ私と、試験会場へ駆けていく彼の笑顔。

もう一つは、美術館の前で千紘と親しげに寄り添っている姿。

筆を置いたとき、また千紘から動画が届いた。

再生するとすぐに、白真の優しい声が響いた。

「大丈夫?足、痛くない?揉んであげるから」

思わず私は微笑みかけて、無意識に靴を脱ごうとした。

けれど、いくら待っても家には白真の姿はなかった。

その声は、動画から聞こえてきたのだった。

白真は明るく笑いながら、千紘をモールのベンチに座らせ、ひざまずいて彼女のハイヒールを脱がせていた。

まるで美術品を扱うように、大事そうに両手で抱きかかえていた。

私は足が不自由になって10年間、一度も涙を流さなかった。

彼が浮気したと知った時も、泣かなかった。

なのに今は、どうしても涙が止まらなかった。

目元がぼやけたまま、3年前の記憶が蘇る。

あの時、会社の盛大な祝賀会で、私は少し眉をひそめただけなのに、

白真は立場も周囲の視線も気にせず、私の靴を脱がせてマッサージしてくれた。

「やめて、恥ずかしいよ」と言った私に、

「大丈夫だよ。治せないなら、一生揉んであげるよ」と言ってくれた。

あの一生という言葉は、もう一年前に終わっていたのだ。

千紘が現れてから、彼は一度も私の足に触れていない。

目の前にある私の足は、すでに腫れと化膿でひどい状態だった。

その上に落ちた涙が、ひりひりと沁みた。

まるで、深く傷ついた心が、ようやく現実に馴染もうとするかのように。

「怜、会社の用事がまた終わらなくて。いい子で休んでて。明日は一緒に朝ご飯食べよう」

白真から電話がかかってきたのは、午前1時だった。

事前に準備していた6周年記念の風船は、風に吹かれて床に散らばっていた。

私は目元をぬぐい、すでに落ち着いた声で言った。

「そうね」

「確かに、そういう時間が欲しいかも」

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