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ルナール登場!果たして交渉はうまくいくのか!

Penulis: Kaya
last update Terakhir Diperbarui: 2025-07-27 11:12:00

 「金が採れる鉱山だと?

 それは一体、誰の物だ?」

 少し息を呑む様にルナールが尋ねてくる。

 よしよし食いついた!

 手のひらで金塊を左右に揺らしながら、私は得意げに笑ってみせる。

 「私の物です。

 何の価値もないと言われていた、私が所有している鉱山です。」

 それは過去、アデリナがローランドに我儘を言って買わせた鉱山。

 荒れた地で何の価値もないとされて長く放置されていた。

 だが実際は、金の含有量が通常の鉱山よりも倍近くあるという事実が、後になって分かったのだ。

 この段階ではまだ分からなかったけれど、長引くマレハユガ大帝国との戦争で資金繰りに頭を悩ませていたローランド達の窮地を救った奇跡の鉱山……!

 小説では、後々このこうざんから金を取り出す大規模な設備も整うはずである。

 アデリナ、もしかしてあれが金山だって分かってたのかな?

 まさかそれもローランドの為に?

 もう!本当にアデリナ最高すぎる!

 本来ならこんな所で取引に使ってはいけないのかも知れないけど、どうせ私とローランドは戦争前には離婚する予定だし。

 だから少しくらいいいよね?

 「あの鉱山を、メレフ一帯の土地と交換するようにフィシに提案します。もしもその交渉が上手くいったら、あなた達には、もう二度と略奪行為や破壊行動を行わないと約束をして頂きたいのです。」

 いくら強がっていても、本当はルナールが人々を苦しめるのは嫌だと思っているのは知ってるんだからねっ!

 「……は、はははは!

 それがお前の願いか?

 確かにそれなら誰もが納得いく交渉になるかもしれない。

 あのローランド王もな。

 だが、それだとお前にとっての得は何だ?

 お前は何か得るものがあるのか?」

 少し馬鹿にした様にルナールは笑ったが、不思議と嫌な気持ちはしなかった。

 私の得るもの………?

 「もちろん、ヴァ

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     レーヴェン一味は残虐で、ローランドの側近達は前もって色々準備した方がいいとか言っていたが、私にはそうしなくても十分にルナールを説得する自信があった。 だから下手に小細工せずに真正面から堂々と行ってやろうと思っている。 ただその交渉に必要な、とある事は現在調査中だけど。 「アデリナ。せめて交渉が無事に終わるまでは身分は隠しておけ。 これは命令だ。分かったな?」 ローランドが気難しい顔をしながら、しつこくそう言ってきた。 ◇ 私達は、二名の側近以外の騎兵達を、万が一の時の為に周辺にこっそりと待機させておくことにした。 山間にあるルナール達のアジトは狭い入り口以外厳重に鉄柵で囲ってあり、また所々にいかにも山賊といった感じの見張りが立っていた。  山賊達は、堂々と正面からきた私達をすぐに取り囲んだ。 彼らは小説で出てきた、闘剣と呼ばれていた野太い剣をちらつかせる。 両手を上げて無抵抗だとアピールすれば、意外と紳士的な男達は私達を中へと連行した。 門を潜れば城の要塞のような建物が見えてきた。 遂に目的のルナール達がいるアジトに突入成功である。 「頭領、変な男女が頭領に会いてえと。」  「あ?………誰だお前ら。」 その人物は中の一番豪華な部屋の椅子に座っていた。 ついにルナール登場! 白に近く、不思議な魅力を感じさせる、横に束ねた肩までの髪。 少し優し毛な印象の垂れ目。 鼻筋が綺麗で唇の形も綺麗。 顔は凄く若々しい。今は私達を警戒して睨んでるから雰囲気は怖く感じるけど。 小説ではルナールの確かな年齢は登場しなかったが、若いという描写はあった。 今は男のふりをしているが、綺麗さが全然違う。   うわあ。本当に美人すぎない!? 男の格好してるけど、女だって事は分かってる! ルナール!アデリナに続く、ローラ

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