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私!山賊退治に行って参ります!

Author: Kaya
last update Huling Na-update: 2025-07-24 06:27:00

 ……しかも何かおかしい。

 実はこの前の未遂の夜からずっとこう。

 積極的に夜は自分の宮に来るように言ってくるし、なんか知らないけどベッドに誘ってくるし、堪らない色気で誘惑してくるし。

 あれは一体何?罠?

 とにかくもうローランドの色気がやばくて辛いのよ!

 でも毎回お約束のように熱を出すからヤれないし……!

 こっちはもう欲求不満で爆発しそうなんですけど!

 もう熱あるローランドを無視して寝込み襲おうかな!っていうくらい辛いんですけど!

 女に性欲がないと思うなよ…!

 女にだって欲は………………ある!!!

 「それで、アデリナ。お前はどうしてレーヴェン一味の情報を知っているんだ?

 確かにあの日捕らえた一味の一人がアジトを吐いたが、なぜお前がそれを知っているんだ。」

 国境近くのメレフという町の山間部に、彼らレーヴェン一味のアジトがある。

 私と騎兵隊とでそこを目指し、最速となる狭い山道をゾロゾロと歩いていてきたのだが。

 愛馬の背に私を乗せたローランドは、人を後ろからギュウギュウと抱きしめるようにして手綱を引き、疑り深い目で質問攻めしてくる。

 やっぱりそうなるよね。

 何て誤魔化そうかな?

 「お、オホホッ。い、いやですわ、ローランド。

 私を誰だと思って?

 これでも一応王妃ですよ?私だって国の困りごとの一つや二つ関心がありますし、情報収集だってしますよ。

 び、びっくりしました?」

 暫く人を吟味するように見つめた後。

 「………そうか。」

 ローランドはお得意の短い一言を発して、プイッと目を逸らした。

 って………

 今のいい加減な説明で信じるんかーい!

 ありがとね?

 と

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