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第1287話

Penulis: ラクオン
彼は本人だ。

言葉を発する前に、実咲の酔った声が漏れた。

「……私の好きな人に、似てる」

「……」

彼女が酔っていることなど、駿弥には一目で分かった。だが、酔っ払い相手に言葉を尽くす気などさらさらない。彼は無言で彼女をソファに座らせ、届いた料理の包みを開け、そっと目の前に置いた。

その声音は冷たく、無情だった。

「食べろ」

まるで毒を食べろと命じているような響きだった。

だが、実咲は今は食べたくなかった。

彼に身を寄せ、手を伸ばしてその顔に触れる。

じっと、まじまじと見つめた。

「あなたが紀香先生のお兄さんになる前から、もう好きだった気がする」

駿弥は彼女の動きを止めなかった。

だが、その言葉にわずかに表情が揺れた。

彼が一瞬、思考を手放した隙に、実咲は彼の膝に乗り上げた。

顔を両手で包み、口づけを落とした。

「……」

駿弥は彼女の手を掴み、顔をそらした。

だが、実咲は執拗に唇を追った。

酔っ払いの相手に、言葉を尽くしても意味がない。

彼は黙って彼女を抱き上げ、部屋へと運んだ。

とりあえず一回寝ろ。

「俺はここにいる。寝ろ」

だが、実咲は長く眠っていたせいか、全く眠気がなかった。

彼をベッドに押し倒し、自分から覆いかぶさる。

再び唇を狙う。

駿弥は今度は避けなかった。

思考が一瞬、遠い記憶へと引き戻されていた。

——あの粘りつくような夏の午後。

史上最悪の酷暑、四十二度。エアコンをつけても、体中が汗で濡れていた。

室内の熱は外と変わらない。

互いを求め続け、夕陽が沈むまで絡み合った。

シーツは二度取り替え、ようやく乾いた布の上で眠った。

だが翌朝、腕の中は空っぽだった。

調べても、跡形もなく、ただ「死亡」の報せだけが残された。

思い出に胸を冷やし、彼は実咲を突き放した。

迷っている彼女を布団に押し込み、掛け布をかける。

布団から覗いた小さな頭。まだ呆然とした顔。

駿弥は視線を落とし、低く息を吐いた。

——以前、彼に抱れた夜で何も告げずに去った彼女。今のぼんやりした姿の方がまだ見やすかった。

「俺がお前を見抜けなかったなんて……笑えるだろ。

俺は長い間、お前を恨んできた。だから、お前に似た奴らが俺に近づくのさえ、顔を背けてきた。

まさか……お前が、こんな形で現れるとはな」

実咲は混乱
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