LOGIN姉様大好きっ子ソフィア=グレイス侯爵令嬢は王太子殿下の婚約者でありながらも、婚約破棄を望んでいた。渡りに船のように王太子に婚約破棄&国外追放を言い渡されたソフィアは姉が皇太子妃に嫁いで行ったサフリア帝国へと行くことにした…。その方法が…。
View More「お前みたいな醜悪な婚約者がいること自体あり得ない。今日で婚約破棄だ!私の可愛いジュリアンを虐めるなんて信じられん。お前が婚約者だったなんて黒歴史にしかならない。国外追放だ!」
「お待ちください王太子様ー!私が彼女を虐めたという証拠でもあるのですか?(棒読み)」
「ジュリアンの友達もお前の仕業だと言っている。机を隠したとか。水をかけたとか、ロッカーに落書きをしたとか?ああ、なんて心の汚い女なんだ。ああ、可哀そうにジュリアン!」
「王太子様ぁ!びえぇぇん!」
衆人環視で婚約破棄する意味がわかんないけど、乗っておこう。
私なら、その落書きの筆跡鑑定を依頼して犯人を割り出すけど、ジュリアンの証言だけで私を犯人にしちゃうんだもんねー。
ジュリアンは王太子にはなんかメソメソした顔を見せてるけど、私には口角が上がった顔が見える。
喜劇なの?
「この女はこの卒業パーティーに参加する資格もない。直ちにつまみ出せ!」
こうして私ソフィア=グレイスは自由になった。嗚呼、毎日の王太子教育も面倒だったし、なんだか開放感!国外追放?やったね、国外。生まれて初めての国外だよ。
実家に戻るとテンプレートのように父から怒られ、勘当された。「荷物をまとめて出ていけー!」
国外に行くのだから、最初から荷物はまとめるつもりだし。それが勘当されるかどうかって事だけだったけど。
うーん、国外……。アリア姉様がいるサフリア帝国に行きましょう!楽しみですね。心躍ると言うんでしょうか。今までは家と王城を行ったり来たり…。あ、学園にも行きましたね。うっかり忘れていました。
王子妃教育で他国の言語も習得しているからどこでも生きていけます。楽しみだなぁ。
~その頃の王城
「書類が遅れてるぞ!今までこんなことなかったのに……」
「書類に計算ミスが!?凡ミスだ殿下にリテイクってアリなのか?」
などの不具合が生じていた。仕方ありませんよねぇ。だって今までは私が殿下がすべき書類の処理までしていたんだから。
えーっとサフリア帝国までの道のりは、馬車と船かぁ。遠いなぁ。
阿呆殿下(もう不敬でも何でもないだろう)には言ってないけど(親にも言ってない)、私は『念じたところに即座に行ける』便利なスキル持ちなんだよね。
姉様はこのスキルの事知ってるし、《姉様のところ、姉様のところ》と思っていたら、あっという間にサフリア帝国の姉様のところに着いた。
昔、寝ながら『姉様のところに行きたいよぉ』って何度も思ったから行けるようになったのかなぁ?
姉様は夜中に私が突然現れるようになって驚いてたけど。
姉様の膝の上に突然私が現れたので、付近の侍女も護衛の人も臨戦態勢となった。アリア姉様は皇太子妃殿下だもんね。
「ケバブの肉を切るお兄さんの前腕の筋肉を見た時、ドキドキしました」「……。それは、これから食べることができるドキドキか?切られる肉の気持ちのドキドキか?」「うーん。お兄さん、意外と逞しいねドキドキです」「俺も意外性を見せるとドキドキしてくれるのか?」 ロバート様にはどんな意外性があるんでしょう?「ソフィの思う俺はどんなイメージだ?完全無欠の王子様ってイメージです」「なるほど」「俺は猫が嫌いだ。というか、怖くて近寄りたくない。固まるぞ?」 あんなにモフモフで可愛いのに。「さらに、可愛らしいものが好きだし、甘いものが好きだ。紅茶にも砂糖を入れまくる。入れまくりで怒られた。「そんなに入れたら、紅茶のいいところがわからなくなるでしょ!」って」 どんなに砂糖を入れまくったんだろう?「ケーキはクリーム派?チョコレート派?」「俺はチョコレート派だなぁ。ムース状だといいよなぁ。甘い紅茶といただきたい」「ふふふ。ロバート様?お城に戻ってケーキをいただきましょう?せっかくだもの、ケーキを買って帰りましょうか?」 完全無欠のロバート様は可愛らしいお方だった。 その後、街中のケーキ屋さんでケーキを買って、お城で食べることとした。甘い紅茶と共に。「うーん!おいしいっ。紅茶もおかわりいただけるかしら?」「はい只今」 私はロバート様のお部屋でケーキを堪能中。「美味しそうに食べるなぁ」「美味しいんですもの」 ロバート様は私を見ているだけで食べていない。ケーキが好きって言ってたのに。「ロバート様!あーん」 私はロバート様の口の中にケーキを突っ込んだ。「ね?ね?美味しいでしょう?姉様にも買ってくればよかったかなぁ?あ、でも気持ち悪くなったら悪いし」「確かにこのケーキは美味いな。紅茶もいただくとしよう」 ロバート様…その砂糖の量はかなり多いです。紅茶を飲んでいるのか、溶けた砂糖を飲んでいるのか微妙ですよ。「ロバート様、世の中には紅茶ではなくコーヒーという飲み物があります。それに砂糖を入れてはどうでしょうか?」「試してみる価値はありそうだな」 ロバート様(と私)はコーヒーを飲んだ。苦い。助けて~、お砂糖! ロバート様も私も砂糖を少しずつ入れては試飲し、丁度いい量の砂糖の量を見出した。「確かに紅茶に砂糖をたくさん入れると非難の目に遭うのが常だっ
ロバート様でドキドキ?なんかトキメクの?うーん。顔とか容姿がよろしいけど、もう慣れちゃった。 ロバート様は逆に私を見てトキメイたりするの?どこ?場所がわからない。私のどこがいいのか。姉様は素晴らしい!でも私はどうなの?虫除けだし、特にトキメキ要因が思い当たらないけど?これは本人に直撃するほかないでしょう。「今日もお仕事でお疲れのところ申し訳ありません。ロバート様は私を見てトキメイたりするんでしょうか?」 今日もロバート様は飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。やっぱり早急にハンカチをプレゼントしよう。「そうだなぁ。凛として俺の虫除けをしてたりすると、グッと惹かれるものはあるぞ?」 そういうものなのか…。「そうなんですか。どうやら、私は恋愛事に疎いみたいです。これまでずっと姉様が一番でしたから。ロバート様!是非私に恋愛事を教えてくれませんか?精神論からお願いします。実地で」 こういうのって実技(?)の方がいいって言うし、私が言ってることは間違ってないよね?ロバート様はむせてるけど。「それじゃあ、巷でドキドキするという‘壁ドン’とか‘顎クイ’とかやってみるか?」「お願いします!先生‼」 結果から言おう。「だからどうした?」という感じだった。「壁ドンも顎クイもこの後の自分に想いを馳せてドキドキするんだな。「これからキスされちゃう~?」みたいな?何も考えていないやつにやっても意味がないな。壁ドンにいたってはただの脅迫にしかならない」 確かに。どっちも私はこの後の自分とか全然考えてなかった。考えてた事なんか「今日の夕飯なんだろう?」とかだもんね。ちっともときめかないよねぇ。「次っ、普段と違う一面を見る。俺は視察用にちょっといい家の平民仕様だ!」「私は町娘!どうですか?」「俺の方がときめくんだが?どうしてくれよう…」「私も普段の格好よりも素敵だと思いましたよ?」「普段の格好でも素敵だと思ってもらいたい。そんな俺の希望はさておき城下の街中を見て回ろう」「わかりました!師匠‼」「師匠と呼ぶのは止めてくれ、普段のようにロバート様と。あ、街中だからな…うーん、『ロブ』と呼び捨てで呼んでくれ」「わかりました、ロブ」「敬語も禁止だ、ソフィ」 難しいことをロバート様は仰います。敬語禁止が難しい。「あ、ロブ。あれは何?知ってる?」「敬語ナシ。上
「あ、マーサさ~ん!」「これはソフィア嬢、ご機嫌麗しく」「ありがとう。こないだお茶会で姉様に聞いたんだけど、私もエヴァンス様やロバート様の幼少の頃のお話を聞きたいです!是非教えてください!ロバート様、絶対に可愛らしい御子様だったと思うんですよね」「うふふっ。教えても構わないのですけれども…条件があるのです」「条件?」 そんなことは姉様は言ってなかったけど?「婚約者である事!」「はいはーい、婚約者です」「ダメでーす。偽装婚約ですから。ちゃんとした婚約者様でないと教えられません」 ちぇっ、聞きたかったのに~。 勝手に婚約者を名乗ったら、ダメだろうし、ロバート様と話し合おう。 その日の夜、お仕事から帰ってきたロバート様とお話をしました。「お疲れ様です。ローズフェル王国のポンコツ王太子の影響は計り知れないですね。ロバート様をこんなに疲れさせて」「もう夜も遅いしソフィももう寝てても構わなかったというのに、何か用があったのかい?」「ロバート様、正式に婚約をしていただけませんか?」 ロバート様は飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。あわててハンカチなどで口の周りを拭ってらっしゃる。そうだ、ハンカチに刺繍をして差し上げましょう。「それはアレだぞ?契約の内容に体の関係も含めるってアレだが?」「そうですよ?契約も何も正式な婚約者ですもの。当然ではないですか?」「突然どうしたんだ?」「マーサさんが正式な婚約者でないとロバート様の幼少期のお話を聞かせてくれないんです」 今度はむせていらっしゃる。うん、ますますハンカチが必要な感じね。「それでか…。それで俺と婚約を?」「はい!」「いい返事だ。恋愛感情は持ち合わせてくれているんだろうか?俺を見てドキドキとか」「それは追々という事で」 どういうことなんだぁぁぁぁ!「結婚後に恋愛をしているカップルが貴族では多いですよ?」「でもなぁ…」「ロバート様はロマンチストでらっしゃる」 ソフィはぶっ飛んでると思うが?「政略結婚なら、なおさらですし。ほら、姉様とエヴァンス様だって姉様がこの国に嫁いでくるまで会ってこともありませんでしたよ?でもあんなに想い合ってるじゃないですか!」「彼らが稀有な例という事もあり得るからなぁ」「ロバート様は慎重派でもあるんですね。ロマンチストで慎重派!」「揶揄ってるの
そんなこんなでアリア鑑賞会改め、Let’s talk with my sister Aria and I watch her.の会が開催されることとなった。参加者は姉様に私、エヴァンス様とロバート様でのお茶会なんだけど。「姉様!私は思いっきり姉様とお話が出来るという事で張り切ってコレを作りました!」 私付きの侍女二人に横断幕を広げてもらった。 Let’s talk with my sister Aria and I watch her.の会 という文字の刺繍はもちろんの事、姉様の顔の刺繍(人物が判別できる状態)がしてあります。「まあ、ソフィア。刺繍頑張ったのね?」「王太子妃教育でもやらされましたから、これでも刺繍は得意なんです」 意外そうな目で男性陣に見られる。私を何だと思っているんだろう?これでもローズフェル王国の王太子妃教育を修了しそうなところだったんだぞ☆「姉様に喜んでいただけたならもっと刺します。何かご所望のものがあれば言ってください。御子のおくるみにとか」「おくるみに刺繍は赤ちゃんの肌に悪いでしょ?」「思い至らずに申し訳ありません。殿下達もご所望のものがあれば言ってくださいね?私の優先順位の最優先は姉様ですけど」「陛下にソフィア嬢の刺繍の腕前の話をしてもいいだろうか?」 話すのは自由です。万が一、陛下から依頼が来たとしても私の最優先順位は姉様です!「どうぞ~。姉様、最近の体調はどうですか?悪阻は一時的なものでしたか?」「ソフィアが心配しなくても今は平気よ。こうしてお茶会もできるし。マーサさんに妊娠時の悩み相談が出来たのが大きいのかしら?ストレスが軽減したわね。殿下達の幼少の頃のお話もいっぱい聞きましたよ?」 やっぱりマーサさん、羨ましい。とはいえ私は妊娠未経験だからなぁ。「殿下達の幼少の頃のお話に興味があります!」「マーサさんなら快く教えてくれると思うわよ?」「はい、聞いてみます!」「「おいおい、やめてくれよ~」」 楽しい時間は過ぎるのが早いもので、気が付くとお開きの時間となってしまいました。 マーサさんには殿下達の幼少期の頃のお話を聞きましょうと心に決めて、Let’s talk with my sister Aria and I watch her.の会はお開きとなりました。「ソフィ、今日のお茶会で満足した?