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第162話

Penulis: 結奈々
最初、車内は比較的静かだったが、時間が経つにつれて早起きでぼんやりしていた頭も冴えてきて、ぽつぽつと会話が聞こえるようになってきた。

「柚香」通路側に座っていた梨花が、ふいに身を乗り出してきた。

柚香は横目で彼女を見る。

梨花は周りをちらっと確認してから、小声で言った。「玲奈さんから聞いたんだけど、あなた、昔は家が結構裕福だったの?」

柚香は考える間もなく否定した。「そんなことないよ」

「じゃあ、家が破産したって話は?」梨花は探るような口ぶりで続ける。

「破産って、人によって捉え方が違うでしょ」柚香は言い方を変えた。「どの家庭だって、何かのために貯金を全部使い切ることくらいあると思う。うちもそうだっただけ」

その言い方で、梨花もこれ以上は触れたくない話なんだと察した。

けれど、話さないからこそ余計に気になってしまう。

結局、部署の何人かと小さなグループチャットで、この話題をこっそり話してしまった。

柚香はそんなことはまったく知らないし、気にもしていない。今の彼女が知りたいのは、今回の団体活動の目的は何なのか、どんな意味があるのか、現地に着いたら必ずイベントに参加しな
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