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第81話

Auteur: 金招き
 外に見張りがいるとはいえ、香織は逃げるつもりなどなかった。

田中の手から逃げても、どうせ圭介の手に落ちるだけ。

もう逃げる力は残っていなかった。

田中は彼女を見つめた。彼女がこんなに静かで従順なのが、逆に彼の心を不安にさせた。

「香織、また何か企んでるのか?」

香織はソファーにおとなしく座っていた。「逃げられないと分かっているから、無駄な抵抗はしない。でも、もしあなたが私に何かしようとしたら、自殺する覚悟はできている」

彼女の声は静かで落ち着いていた。

田中は笑った。「君を手に入れられないなら、わざわざ捕まえた意味がないだろう?」

香織は彼を見つめた。

田中は脂ぎった中年男ではなかった。

彼の姿は高く引き締まっており、顔立ちも整っていて、自由奔放な雰囲気を醸し出していた。濃い眉の下の桃のような目は、どこか悪巧みをしているように見えた。

「君が青陽市に逃げてきたのは、圭介を避けるためだろう?逃げたということは、彼を好きではない証拠だ。ならば、俺と一緒に......」

「夢をみないで!!」田中の言葉を途中で遮り、香織は即座に拒否した。彼女が逃げたのは、腹の中の子供
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