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第7話

Penulis: 青い鳥
そう思えた私は「はい」と答えた。

「そんなに毛嫌いしないで。お母さんは分かってるの、あの中村って人が好きなんでしょ。えっ、今、なんて言ったの?」

私は伏し目がちになった。

「はい。紹介して」と答えた。

その日の夜、夕飯を食べ終えると、私はいつものようにスマホを手に取った。すると、拓海からライン通話がかかってきた。

新しいアカウントに変えたけど、昔のラインにはまだ友達がたくさんいた。だから、ここ数日はまだログインすることがあった。

通話を取ると、拓海はここ数日の出来事なんてすっかり忘れてしまったようで、とても自然な口調で言った。

「どうして電話、通じないんだ?」

私が口を開く前に、彼は続けた。「まあいいや。お正月の準備はもう全部してあるから。他に何か欲しいものがあれば、秘書に買いに行かせるから言ってくれ」

それを聞いて、私はふと、拓海の母親が亡くなったばかりの年を思い出した。

あの年、私はお正月に実家へ帰っていた。そして年が明けたころ、新年の挨拶をしようと思って、拓海にビデオ通話をかけた。

なかなか繋がらなくて、やっと繋がったと思ったら、画面は真っ暗だった。タバコの火を示す、赤い光だけがぽつんと見えて、それがゆっくりと暗くなっていった。

そして電話口から拓海の掠れた声が聞こえた。「どうした?」

しばらくして、画面が光に慣れて、やっと彼の姿が見えた。拓海は一人でベランダに座っていて、周りには空き瓶と吸い殻が散乱していた。

外は、家々の明かりと煌びやかなネオンで街は賑やかだった。でも、その賑わいは彼とは全く関係ないみたいだった。

拓海はただ一人、窓辺に座って他人の家の幸せそうな光景を眺めていた。そして、夜の闇に紛れて寂しそうにタバコを吸っていた。

そんな彼を見て、私はどうしようもなく切ない気持ちになった。

そう思うと私は泣きそうになりながらも涙をこらえて、必死に笑顔を作って見せた。

「明けましておめでとう!お年玉はあるかな?」

それを聞いた拓海は軽く笑ったようで、その直後、PayPay送金受け取り通知音が鳴った。

確認してみると彼は私に、200万円も送金していた。

私がしばらく呆然としていると、拓海がぽつりと呟いた。

「薫、早く戻ってこいよ。俺は、すごく……」

拓海の声は風に掻き消されて、最後の数文字が聞き取れなかった。

それが、「すごく寂しい」だったのか、それとも「すごく会いたい」だったのか、私には分からなかった。

だが、あの瞬間私はもう何も考えられなくなった。両親には「会社で急用ができた」と慌てて告げると、一番早い便の飛行機でS市へ戻った。

そして、深夜三時にようやく到着した。真夜中でもS市はまだ賑やかで、ネオンが煌めき、車が絶え間なく行き交っていた。

でも、拓海の家の灯りは、すべて消えていた。

私は息を切らしながら階段を駆け上がると、力一杯ドアを叩いた。

「拓海、開けて!」

もう寝てしまったかと思ったけど、拓海はすぐにドアを開けてくれた。そして、私をまっすぐに見つめて、珍しく、本当に驚いたような顔をしていた。

「お前は――」そう言うと、彼はその場に固まっていた。

「なんで戻ってきたんだ?」

私は目を細めてにっこり笑った。「一緒に年越しをしようと思って」

それを聞いた拓海は何も言わず、ただじっと私を見つめていた。

その視線に圧倒されて、私が気まずくなってきた頃、彼は突然、私を抱きしめた。

とても力強く、まるで私を自分の身体にねじ込むかのように。

それ以来、毎年、私は拓海と一緒に年を越してから家に帰るようになった。それはいつの間にか、私たちの間の暗黙の了解になっていた。

でも、今年は彩花という彼女がいるにも関わらず、まだ私と一緒に年を越そうとしているなんて、私も思わなかった。

そう思いながら、私は窓の外に目をやり、小さな声で言った。

「私、実家に帰ってるの」

それを聞いて、拓海はきょとんとした。

彼は私がそう言うとは思ってもみなかったみたいで、しばらくして、やっと「ああ」とわざとらしく言った。

「そうだよな。もう何年も実家で正月を過ごしてないもんな。たまには顔を見せてやらないと」

「うん」私はスマホを握りしめた。

そして、しばらく沈黙が続いた後、微かに彩花の声が聞こえた。

「拓海、早く来てよ。このお湯、どうやって出すの?」

「すぐ行く」と拓海は答えた。

「じゃあ、切るね」私は唇を引き結んだ。

「ああ」

そう言う、拓海の声からは、何の感情も読み取れなかった。
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