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3. 「異世界ほのぼの日記」108

Penulis: 佐行 院
last update Tanggal publikasi: 2025-04-06 08:42:11

-108 求めていたのは家庭の味-

 少し前なのだが光はパン屋の仕事が休みの日に街中にある食堂の手伝いをした事があった、そこで自分が家で食べるカレーを作って出したのだがたまたまその店に立ち寄った王女が気に入ったとの事なのだ。

 光が皿に白飯をよそって出来たばかりのカレーをかけてペプリの前に出すと、目の前の王女は目をキラキラと輝かせ始めた。右手には匙、そして左手には水の入ったグラスが握られている。グラスの水を右手の匙につけると待ってましたと言わんばかりの勢いで一口目を掬い、口に運んだ。

 じっくりと咀嚼し、味わっていくペプリの目には涙が流れ始めている。

ペプリ「光お姉様、これをずっと探していたの。この刺激的な香りと根菜類と共に入った2種類の茸。それと不思議な位に柔らかな牛肉、そしてすべてを包み込み受け止めるルウと白飯。美味しい。」

クォーツ「おいおい、言っちゃ悪いがたかだか家庭のカレーだろ?泣くほど美味い訳・・・。」

 知らぬ間に光を「お姉様」と呼ぶ王女の隣で1口食べた古龍。

クォーツ「美味しい・・・。」

 カレーの味に言葉が途切れたクォーツの目からも涙が流れている。

メイス「あの・・
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    -365 頼りにしても良いかどうか- 兄が守の名前が挙がった理由を未だに理解出来ていない中、弟は「仕方ないがこういう時だから・・・」とため息をつきながら好美へと相談する事に(ただ頼りになるかどうかは定かではないが何もしないよりはましだと思うしか無いんだろうな)。好美「何よ、また私の悪口を言っている訳?いい加減にしないと警察呼ぶよ?」 な・・・、何も言ってねぇし・・・。俺はただイャンダの心中を代弁しただけだもん、無罪です!!好美「無罪じゃないもん、全部あんたの妄想なんだから有罪だもん!!」 分かったよ・・・、また今度ビールを送っておくから許してくれよ・・・。好美「大瓶ね、大瓶を最低でも3ケースね。でないと絶対に許さないから。」 大瓶ね・・・、分かりましたよ・・・。今度3ケース程送らせて頂きますからそろそろお話を続けても宜しいでしょうかね?好美「仕方ないな・・・、今回だけだよ?」 全く・・・、コイツは1人暮らしのおっさんかよ・・・。好美「何?また悪口?」 い・・・、いや・・・。俺って素晴らしいヒロインに恵まれて幸せだなと思いましてね。好美「もう・・・、お世辞は良いから早く話を進めてよ。他の人が待ってんじゃないの?」 そっすね・・・、恐れ入りますがそうさせて頂きます・・・。 『探知』で好美の様子を探っていたが故に(多分俺の所為で)大分待たされていたイャンダは様子を伺いながらかつてのオーナーに恐る恐る『念話』を飛ばした、この場合においても違う意味で言葉を選びながら会話に臨まなければならないからだ。少しでも好美の機嫌を悪くしてしまうと全てがおじゃんになりかねないからである、怖い怖い・・・。イャンダ(念話)「好美ちゃん・・・、もうそろそろ大丈夫?」好美(念話)「ああごめん、私は何時でも良かったんだけど作者(アホ)の所為で時間かかっちゃった。何か用事でもあった?」 こちらも『探知』で新店におけるイャンダの様子をずっと伺っていた好美はどういった相談なのかを大体把握していたみたいだったが、相手が話しやすい様に敢えて何も知らない体で『念話』に応じた。イャンダ(念話)「実はさ・・・、こっちの店でもケデールさんの所の豚肉を使えないかなと思ったんだけど相談に乗って貰えないかな?」好美(念話)「それって、守が育ててる豚肉って事?」イャンダ(念話)「そう

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    -364 お客さんの為を思う- 兄弟は「豚肉を中心とした料理を提供する」事と「朝食メニューを提供する」事に関しては納得していた、ただイマイチ理解に苦しむ事が1点。そう、どうして旅館の一角に出すお店で提供する料理の食材として「豚肉」に拘るのだろうかという事である。やはり現場の従業員として納得のいく理由を聞いておきたいと思った2人は出来たばかりの店内に着席してお茶を飲みつつ、ダンラルタ王国にある山の中腹辺りにある駐車場の隅で次の販売ポイントへと向かう為に屋台の片づけを行っていた1号車の主人に『念話』を飛ばした。イャンダ(念話)「お疲れ様です、シューゴさん今お時間宜しいでしょうか。」 たとえ『念話』を使用しているとしてもそこはビジネスの場、電話と同様の形式で丁寧な言葉遣いを心がけるイャンダ。シューゴ(念話)「お疲れ様です、私で宜しければ大丈夫ですよ。如何なされました?」 会社全体を回す代表取締役になったとしても必ずと言って良いほど相手を敬う気持ちを忘れないバーサーカー、こういった所は俺も見習わなきゃなとつくづく思ってしまう。イャンダ(念話)「いや・・・、大した事では無いんですがどうして温泉旅館の一角に出すお店で提供するのが豚肉料理なのかなと思いまして・・・。」ベルディ(念話)「そうなんです、実は私も疑問に思ってました。」 弟は店長として、そして兄は旅館の主人兼店のオーナーとしてちゃんと知っておきたかったとの事だ。シューゴ(念話)「そうですね・・・、簡単に言えば「栄養素とその効果」ですかね・・・。」 全くもって意味が分からない兄弟、しかし店を開店させた後だと多忙さが故にこうやって時間を作って質問する事が出来ない為今のうちにしっかりと聞いておこうと思った様だ。ベルディ(念話)「「栄養素と」・・・。」イャンダ(念話)「「その効果」・・・、ですか・・・。」 帰って来た答えが端的すぎて理解に苦しんでいる2人、これはしっかりと聞いておく必要がありそうだ。シューゴ(念話)「そうなんです、豚肉に「ビタミンB1」が豊富に含まれているので疲労回復に良いんですよ。それに旅館と言えば各々の旅で疲れたお客さんの疲れを癒す場所じゃないですか、少しでもお客さんのお役に立てる店になれたらと試験的に始めようと思ったんです。」 シューゴの商売に対する熱意とお客さんへの思いやり

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    -363 忘れてたのはどっちだ?!- 野菜の仕入れ及び流通のルートは何とか確保出来た,ただそれ以上に必要な物がある事を忘れてはいないだろうかと思ってしまう俺(ただ傍らで見ているだけのクソ野郎が何言ってんだよと言われかねないので何も意見はしないでおくがこの兄弟の事だから忘れていそうな気がする)。ベルディ「えっと・・・、次は肉系統だよな。イャン、前の店では叉焼とかはどうしていたんだ?」イャンダ「兄貴・・・、もう忘れたのか?俺は雇われの身だったから仕入れ等は好美ちゃんを中心とした上層部(?)が取り決めていたから俺は発注はするけど後は任せっきりだったんだよ。」 これは俺個人が思う事であるが、「好美を中心とした」という表現がピッタリかどうかは正直言って定かでは無い。正直言って好美の場合は「ギャンブルで出来た泡銭を利用して市場等から「勝手に」「大量の」食材を仕入れていた」という言葉の方が正しかった様に思える、実際は必要最低限の食材を仕入れて送っていたのは1号車を運転しながら会社全体を回しているシューゴのはずなのだがこの本人も好美に対しては少しタジタジになってしまう所もあるのでどちらが上の立場の者なのかも分からなくなっている様な・・・。 だがしかし、肉類(特に叉焼)に至っては話が別になってくるはずである。「暴徒の鱗」の叉焼は拉麺等の味のベースとなる「醬油ダレ」に漬け込んでから各店舗に送る手筈になっているので店側が気にする事はない・・・、よなぁ?イャンダ「チィッ・・・、俺の台詞まで取ってんじゃねぇよ!!あんたな、ちゃんと今日の台本を確認したのかよ?!」 えっ・・・、この話って台本が存在してたの?!結構長い間書いて来たけど全く知らんかったな・・・、でもあったとしても俺が書き換えるから問題無いって事よ。 それより・・・、今はどうしてお兄さんが肉類についての話を持ち出し始めたのかを聞く必要があるんじゃ無いのか?イャンダ「そうだよ、作者(このアホ)の言う通りだ。俺達は仕入れの事についてそこまで気にする必要は無いはずだし、気にするべきではないと思うけどな。」ベルディ「それがあるんだよ、もしかしてシューゴさんにちゃんと聞いてなかったのか?」イャンダ「な・・・、何をだよ・・・!!」 何となく嫌な予感がしてきたイャンダ、「今以上に無理をしてまでこの仕事を続けるつもりはない

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    -361 大切- 実は弟思いだという兄の心遣いに感謝はしていた弟、しかしその心中ではとある相違点が生じていた様だ。俺個人的には折角生き別れて以来の再会を果たしてこれから共に仕事を始めるタイミングなのでこれをきっかけに兄弟喧嘩が勃発しないで欲しいという願いがあるのだが2人共分かる訳無いだろうな・・・、何か虚しい・・・。イャンダ「兄貴、今「並ぶであろうお客さん」って言ったか?」ベルディ「勿論だ、誰だって新装開店の店には並びたくもなるだろう?」 イャンダは「暴徒の鱗 ビル下店」の開店初日の事を思い出していた、確かに王城の調理場での仕事の経験はあったとしても当時の本人は全く持って拉麵屋で働いていた経験が無かった。それと調理器具等に全くもって慣れていなかったという理由も重なってオーナーである好美や王城にいた頃から共に働いていたデルアも含めて全員がバタバタとした1日を過ごしていたのだ、ただこれから働く新店では最低でも今までよりは楽に出来ると思っていたのが仇になったとの事。イャンダ「何処にお客さんが並ぶってんだよ、まさかフロントの前にか?」ベルディ「あのな・・・、お前の記憶の中ではうちのフロントの前がうんと広いって事になっているのか?「店内飲食専用出入口」の前に決まっているだろう?」イャンダ「え?!今何て言ったんだよ!!」ベルディ「いや・・・、だから「店内飲食専用出入口」だよ。ここに引っ越して来る前に何度も店を見ているんだから知っているだろう?」イャンダ「う・・・、うん・・・。」 嘘だ、実際イャンダは新しい設備や器具の配置等にずっと着目しながらピューアと開店当日等の打ち合わせを行っていたので出入口までは見ていなかったのだ(本来はおおよその席の配置を把握する時に見ているはずだと思うが)。ベルディ「その表情からすればお前・・・、何処か勘違いをしているんじゃ無いのか?」イャンダ「(ギクッ・・・)い・・・、いや・・・。勘違いだなんてする訳が無いじゃないか、嫌だな兄貴は。」 きっとこれが「図星」という奴なのだろう、顔を蒼くしたイャンダはベルディに心中を探られ焦りの表情を隠せなくなっていた。ベルディ「まぁ良いか、別に明日開店する訳じゃ無いから今からでも見て来ると良い。」イャンダ「勿論だ、その為に帰ってきた様な物だからな。」ベルディ「おい、やっぱりお前勘違いし

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