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第110話 仕事でもライバル

Author: 花柳響
last update publish date: 2026-01-23 06:01:52
「ああ。……知っての通り、俺は物語を書くことしか能がないからな」

 彼は謙遜するように肩をすくめたが、その瞳には揺るぎない自信が宿っていた。

 そうだった。

 彼は大学でも文芸サークルに所属し、その文才は教授からも一目置かれていると聞いたことがある。

 そして何より、彼もまた、私と同じ「物語」に救われた一人なのだ。

 中学時代、孤独だった彼を支えた万年筆。

 そして、彼が密かに紡いできた言葉たち。

「俺は……ゲームのシナリオライターを志望している」

「シナリオライター……! すごい、奏くんにぴったりだね」

「君は?」

「私は……企画職かな。プロデューサーとか、ディレクターとか。……世界観を作る側に回りたいの」

 私が答えると、奏くんは少し驚いたように目を見開き、それから納得したように頷いた。

「なるほど。……学園祭の時の、あの執事喫茶の演出。あれを見れば納得だ」

「あ、あれは黒歴史だから掘り返さないで……!」

「ふっ。……だが、悪くなかったぞ。あの時の君の熱意は」

 奏くんが、小さく笑った。

 その笑顔を見て、私の緊張が少しだけ解けていくのを感じた。

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  • 攻略対象は私じゃない! ~腐女子が神視点で推しカプ見てたら、いつの間にか逆ハーレムの中心にいた件~   第139話 彼女からの言葉

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