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第17話

Author: にゃー
奏人はキッチンへ駆け込み、果物ナイフをつかむと、リビングの中央へ戻った。

ためらうことなく、刃を左の掌へ滑らせる。

たちまち血があふれ、淡い色のカーペットへ滴り落ちた。

鮮やかな赤い花のような染みが、次々と広がっていく。

奏人は痛みを感じていないかのように、血の流れる掌で床に何かを描き始めた。

インターネット上の閉鎖的な掲示板で見つけた、得体の知れない召喚の陣だった。

線は歪み、血と混ざり合い、不気味で禍々しいものに見えた。

「紗良……戻ってきてくれ……俺の血で、お前の魂を呼び戻す……紗良……戻ってきてくれ……」

奏人は陣の中央に跪き、何もない空間へ向かって叫び続けた。

何度も紗良の名を呼ぶ声は、夜の闇に響く鳥の鳴き声のように凄まじかった。

血は流れ続け、奏人の顔からは次第に血の気が失われていった。

視界も何度も暗くなった。

それでも奏人は構わなかった。

体の痛みと失われていく血が、紗良のいる世界へ通じる橋を作ってくれるとでも信じているようだった。

やがて失血のために視界が完全に暗くなり、奏人はその場へ倒れ込んだ。

そのまま意識を失った。

次に目を覚まし
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