Home / ラノベ / 料理の時間~Cooking Showdown Begins!~ / 料理戦争編・第17話「戦いの螺旋」

Share

料理戦争編・第17話「戦いの螺旋」

last update publish date: 2026-08-27 07:21:30

さあ時は十二月の下旬、雪は降らないまでも寒さが身に染みる午前九時。

勝負の舞台は那智の滝が一望できる広間、ここで料理勝負をすることになる。毎度のことながら、よくこんな場所を借りられたなと思うほどである。ついに料理戦争一回戦第九試合、影光&フレイヤ対イズンの勝負が始まる!

…のだが。

影光側は準備完了、フレイヤとともにこの戦いに挑まんとしている。影真や影葵、影風も観客席で勝負の行方を見守っている。

対するイズン側だが…。彼女は、SP集団に囲まれ調理場に立っている。その数は十人ほど。

それを見たフレイヤが当然のクレームをつけた。

「ねえ、あれってアリなの?調理場がSPで埋め尽くされてるじゃん」

そう、いくらなんでもこれでは料理勝負どころではない。アシスタントが認められるのは二名まで、である。いくらSPとはいえ十人以上も調理場にいられてはルール違反なのだ。そもそも邪魔で料理ができない。

しかしながら対戦相手のイズンは悪びれた様子もなく、堂々とこう言い放った。まあ、SPに囲まれて喋っている姿は見えないのだが。

「SP?…なんのことかしら、新生姜(フレイヤのこと)。そんなものがどこにいるという
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 料理の時間~Cooking Showdown Begins!~   料理戦争編・第17話「戦いの螺旋」

    さあ時は十二月の下旬、雪は降らないまでも寒さが身に染みる午前九時。勝負の舞台は那智の滝が一望できる広間、ここで料理勝負をすることになる。毎度のことながら、よくこんな場所を借りられたなと思うほどである。ついに料理戦争一回戦第九試合、影光&フレイヤ対イズンの勝負が始まる!…のだが。影光側は準備完了、フレイヤとともにこの戦いに挑まんとしている。影真や影葵、影風も観客席で勝負の行方を見守っている。対するイズン側だが…。彼女は、SP集団に囲まれ調理場に立っている。その数は十人ほど。それを見たフレイヤが当然のクレームをつけた。「ねえ、あれってアリなの?調理場がSPで埋め尽くされてるじゃん」そう、いくらなんでもこれでは料理勝負どころではない。アシスタントが認められるのは二名まで、である。いくらSPとはいえ十人以上も調理場にいられてはルール違反なのだ。そもそも邪魔で料理ができない。しかしながら対戦相手のイズンは悪びれた様子もなく、堂々とこう言い放った。まあ、SPに囲まれて喋っている姿は見えないのだが。「SP?…なんのことかしら、新生姜(フレイヤのこと)。そんなものがどこにいるというのかしら?」あまりにも堂々と言い放つイズンに、影光もフレイヤも観客も言葉を失う。このお嬢様は何を言っているのだろう…と。SPがどこにいるどころか、むしろSPに囲まれてイズンの姿が見えないのだが。審査員やフレイヤもいったいどういうことなのか問うが、あくまでも彼女はSPなどいないと言い張っている。「いませんよ」「いるじゃない!」そんな言葉の応酬で、ようやくイズンの主張していることが呑み込めてきた影光。どうやら彼女にとって黒服集団はSPではなく『自分の手足』と言いたいようだ。つまりアシスタントではなく自らの体の一部と言いたいらしい。いったいどこからそう言い放つ根拠と自信と度胸があるのか…逆に影光はちょっと感心してしまった。というか彼女は本気でそう思っているのかもしれない。とはいえ審査員たちは当然それを認めず、黒服集団の退去を命じる。さすがにこれには抗えず、SPもアシスタントが許される二名以外はぞろぞろと調理場から降りていった。「ああ、足が!わたくしの足がー!!」…とか言っているイズンを残して。――――――――――さて、おふざけはここまで。影光&フレイヤ対イズン、勝

  • 料理の時間~Cooking Showdown Begins!~   料理戦争編・第16話「華唄~百花繚乱~」

    おおよそ十時間に及ぶドライブの果て、影葵と影風の運転によって那智勝浦入りした影光とフレイヤ。ホテルに着いた時にはすでに夜八時を回っており、途中のSAで夕食も済ませた影光とフレイヤは今日はもう休むことにした。なお当然別室である。試合は二日後。明日は観光がてら町や試合会場を見て回り、明後日の決戦に備えるという計画だ。…さて、二人を送り届けた影葵と影風だが、大人二人が休むにはまだ早い時間だ。護衛も兼ねて影光たちと同じホテルに泊まっているが、荷物を置いた後はロビーに集合と決めていた。ちょっくら呑みにでも行きますか、どこかいい場所ありそうか?と相談していたところ…。彼らの後ろから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。「…まったく、遊びに来てるんじゃないんだぞ。もっと護衛らしくキリッとしたらどうだ」律するようなその声に、影葵と影風が驚き振り返る。するとそこには…一回戦を勝ち抜き、休養しているはずの影真が立っていた。「え、影真!?お前、なんでここに!?勝ち抜け組は次に備えて休養してろって言われてただろ!」「愚問だな。八傑衆若頭たるもの、いついかなる時でも主君を護衛しなければいかん」「休養という言葉の意味を知らんのか、この猪は…」やれやれとため息を吐く影葵だったが…そう、影真はこういう奴だ。忠誠心がバグっているこの男なら、そりゃあ止めても来るはずである。影葵も影風もこいつとは長年一緒に修行していたが、それでもまだちょっと見誤っていたらしい。「来たのはお前だけか?御令嬢…影羅様や影時、影愛も一緒か?」「いや、皆には断られた。影羅様始め他の皆は城で待機中だ。特に影羅様には『アンタと一緒に和歌山までドライブとか拷問なんですけど』と言われたよ」「言われるだろうな、それは。でも別に俺達には言わなくていいぞ。…ん?ちょっと待て、お前も車で来たのか?」「ああそうだ。どうかしたか?」「たった一人で十時間も運転か…いや、そうだ

  • 料理の時間~Cooking Showdown Begins!~   料理戦争編・第15話「SHADOWZ」

    さあ、各地で始まった第一回戦!毎週繰り広げられる日本全土を巻き込んだ料理対決は、次のように進んでいた。――――――――――第二試合、千葉県千葉市中央区。包丁の『伊蔵』対オーディンの末子こと焔王『スルト』。伊蔵が惨敗したうえ、スルトからは相当な暴言を吐かれたらしい。フレイヤ曰く:「うわ~態度悪い。戦いたくないね」影光曰く:「でも、強い。伊蔵さんがあんなにあっさり敗れるなんて…」――――――――――第三試合、香川県高松市。八傑衆にしてかつて『町食堂 かがやき』で勤務していた不真面目な天才『影時』対モブの『田中田中男』。まあ言うまでもなく影時が圧勝したらしい。哀れ田中田中男、出番さえなかった。影光曰く:「さすが影時さん。…あんまりさすがって言いたくないけど」フレイヤ曰く:「いや、それより田中田中男って…」――――――――――第四試合、岐阜県岐阜市。八傑衆若頭にしておなじみ熱い男『影真』対オーディンの正妻『フリッグ』。だが、フリッグは試合会場に来なかったらしい。何かの策略かと訝しがる影真だったが…来ない以上、彼の不戦勝が決まったようだ。影光曰く:「フリッグ…オーディンの正妻だっけ。何か企んでいるのかな?」フレイヤ曰く:「寝坊しただけなんじゃないの?」――――――――――第五試合、秋田県鹿角市。サイラス対八傑衆の一人『影風』。期せずして味方同士の戦いとなったが、サイラスはフリー参加なので組み合わせ上は同陣営とみなされなかったようだ。そして、やはり地力の差でサイラスが順当に勝利した。影光曰く:「影風さんだってかなり強いのに、やっぱりサイラスさんは強いな」フレイヤ曰く:「サイラスさん、鹿角市まで車で行ったらしいよ。遠っ」――――――――――第六試合、石川県金沢市。八傑衆の一人

  • 料理の時間~Cooking Showdown Begins!~   料理戦争編・第14話「月に叢雲花に風」

    さて、札幌予選から三日後…影光とフレイヤは、地元の都内S区花宮町へ帰ってきていた。札幌予選は勝ち抜け二名。影光(とフレイヤ)、そしてロキ。予選では勝ち抜け二名が決まれば終了のため、この両者の直接対決は行われず、本戦へ持ち越しとなった。次は各地の予選を勝ち抜いた総勢二十四名で本戦一回戦を始める…というわけだ。――――――――――ここは影光が拠点とする花宮町のマンションの自室。そこで、新千歳空港で買ったお土産のバターサンドを食べながらフレイヤが言う。「でも良かったよね、ロキと戦わなくて。あんなの絶対勝てるわけないし」そう、それは影光もわかっていたことだ。影光自身、一回戦も二回戦も変な相手だった。一回戦は『羅美麗栖・芭明日』、二回戦は『ジャスティス仮面』。正直、料理勝負以前の相手たちだった。まあラッキーだったと言っていいだろう。反面、ロキは一回戦はチョンチー、二回戦は影羅。この二人相手に真っ当に勝って予選を突破してきたのだ。類稀なる腕と言っていい。仮に影光がロキと当たっていれば、確実に負けていただろう。「本戦で当たったらどうしよう。正直、勝ち筋が全然見えないよ…」帰ってきてからずっとそんなことを考えていた影光だった。「そうだねえ。本戦で当たったら麻酔銃でも撃つ?ジャスティス仮面みたいに」「…それが一番勝ち目がありそうだけど、なんかそれも通用しなさそう」――――――――――さて、TVでは全国各地の予選の戦いが流れている。何といっても料理勝負はこの世界の最大の娯楽、料理戦争は放送し続けているだけで視聴率を稼げる番組だ。そして時折流れる予選突破者、つまり本戦出場者の紹介もされている。まず、G.O.D.からの推薦者は十人。その全員が予選突破したらしい。そして闇食倶楽部からの推薦者も十人。予選でロキと戦った影羅以外は全員予選を突破したようだ。

  • 料理の時間~Cooking Showdown Begins!~   料理戦争編・第13話「Memento mori」

    さあ、長かった戦いもついに最終盤。影羅対ロキ…いよいよ最後の一手である!まずロキは、ついに冥帝鰹のサクを超高速で切り始める。おそらくは味や歯応えを楽しめる種々のベストサイズをマイクロ単位…いや本人が豪語するナノ単位で切り出しているのだろう。そしてそれを、すでに他の刺身や酢飯を盛ったどんぶりに並べていく。対する影羅は、彗星鮎のシャワーを浴びた酢飯を均等に混ぜ始める。そして器に盛り分け、静かに、そして綺麗に白身魚の刺身を乗せ始めていた。二人の対照的な、しかし美しい所作に観客たちは見惚れている。同じように観ていた影光も、ふと声を漏らした。「信じられない…なんて速さ、そしてなんて整った動きなんだ。姉さんが凄いのは知っていたけど、これほどのレベルだったなんて…」思わず口を突いたそんな言葉だが…。隣にいた暗黒食王がそれを聞いてフッと笑った。「昨日までの影羅なら、あそこまではできん。宿敵の存在が、己の力量をこの一時で驚異的に上達させたのだ。 まったく…あのわがままな娘がよくここまで育ったものよ。もしかすると、今の影羅なら我に並ぶかもしれんな」己の娘が一人前になったことを確信したのか、少し寂しそうに暗黒食王がそう呟く。それが聞こえたかどうかはわからないが、調理場の影羅は少し笑いながら仕上がった海鮮丼に薬味を乗せタレをかけ、宣言した。「調理終了!完成したわ!」対するロキも冥帝鰹のタタキから切り落とした端身を空中に放り投げ、一瞬でみじん切りにする。そしてその欠片と塩を海鮮丼にまぶし、最後に薬味とわずかなタレを海鮮丼にかけて宣言した。「フン、俺も調理完了だ!」…こうして、ついに両者の海鮮丼が出揃ったのである。――――――――――さあ、審査員の下に丼が運ばれていく。そんな一時の休憩の中…フレイヤが、まだ調理場にいるロキを見て、不思議そうに言った。「ロキ、今

  • 料理の時間~Cooking Showdown Begins!~   料理戦争編・第12話「流星の雨」

    『あの男は、俺の母を殺した』…。突然の告白に、その場にいた全員が驚く。…その中で、一番最初に反論したのが影光だった。「あ、ありえないそんなこと!父さんが、人を殺すなんて…!!」大声でそうロキに異議を申し立てるが…ロキは、何も言わず腕を組んだままだ。そして、答えの代わりとばかりに言い放った。「俺が言うのはそれだけだって言ったろ。経緯や理由なんて言うつもりはねえ。知りたきゃお前の親父から聞け。…まあ、きっとお前には教えねえと思うがな」その言葉を受けて、影光は慌てて近くにいた父を見るが…。父、暗黒食王は静かに目を瞑り、腕を組んでいた。そして…。「…そうか。お前は、あやつが遺した子だったのか…」――とだけ呟いた。「と…父さん!いったいどういうこと!?まさか本当に…」影光は慌てて必死に父に問うが…父は言葉少なく影光を見て、こう言った。「…影光よ。あやつのいうこと、すべてが偽りではない。だが、断じて我が殺したわけではない。それだけは言っておく。だが…すべてを知るには、まだお前は幼すぎる」「そんな!なんで…」必死に食い下がる影光だが…。そんな中、調理場から大きな声が響く。「影光!父さんを信じなさい!父さんは、人を殺すような人間じゃない!」…そう発したのは、影羅だった。そう、それは影光もわかっていたことだ。父は、決して人を殺すような人間ではない。そんな人間なら、自分も影羅も、闇食倶楽部の人間もここまで慕っていない…と。しかし、それでも何かの間違いで、と考える影光だが…。フレイヤが、影光の肩に軽く手を置き、優しく諭す。「影光。私は|暗黒

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status