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第310話

Author: 年緒
「何を言っているの。まだ若いのに、結婚しないなんて。

もう十年以上も前のことでしょう。そろそろ前を向きなさい」

光代には、若いころ恋人がいた。

相手は化学博士で、家柄も釣り合っている。誠実で、背が高く、見た目もよく、気遣いのできる穏やかな人だった。

須恵も当時、その縁談には賛成していた。

ところが、婚約を目前に控えたころ、彼は研究室で起きた爆発事故に遭い、そのまま命を落とした。

それ以来、光代は恋愛からすっかり遠ざかり、会社のことだけに心を向けるようになった。

須恵にとって、そんな光代の姿は見るたびに胸が痛むものだった。

しかもその胸の痛みには、誰にも言えない負い目が混じっている。

その時、ノック音が響いた。

萌花が叩いたのではない。振り向くと、時雄が彼女のすぐ後ろに立っている。

萌花はさっきまで話に聞き入っていて、彼がいつの間に来ていたのかまったく気づかなかった。

須恵と光代は同時に扉のほうへ目を向けた。

萌花と時雄の姿を見ると、須恵は光代に言った。

「先に出ていなさい。あなたのことは、またあとで話すわ」

光代は幼いころから海外で育ち、この弟とも、もとも
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Comments (2)
goodnovel comment avatar
みんみん
続き さて、今後のストーリーはどうなるのか?? 萌香は小林家から、須恵から逃げられるのか?無事に海外へ脱出できるのか? 今後の展開に期待しています! 萌香が子供と共に、心から幸せな人生を歩めますように!
goodnovel comment avatar
みんみん
マジか?!だよね〜…須恵の一言… これは今現在も萌香のお腹の中で子供が生きて育っている!っていう事実を知ったうえで発した言葉なのかな?? 須恵が萌香の妊娠のこと、今の状況を知らないはずがないよね?!調べてるよね?! 子供は既に萌香が中絶して失ってしまったと思い込んでいる時雄だったけど…今後どうなるのか? 蓮を絶対に見捨てられない時雄…蓮と違って同性愛者ではない時雄だけれど… 本当に萌香を愛しているようだけれど… でも時雄に依存し歪んだ愛情で時雄を縛りつける蓮がいる限り、萌香と2人で生きる未来は絶対にあり得ないし… 萌香もそんな生き地獄と言えるドロドロの沼の中で、子供と共に暮らしたくも無いし!
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