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第153話

Auteur: フカモリ
真琴の手を離し、自分に向けられる紗友里の奇妙な視線に気づくと、信行は手近な資料で彼女の頭を軽く叩いた。

「なんだ、その目は」

紗友里は髪をかきむしった。

「ちょっと、セットが崩れちゃうじゃない」

その時、美雲と健介も二階から降りてきた。二人に挨拶を済ませると、信行は健介に呼ばれて書斎へ入っていった。

美雲は手伝いのためにキッチンへ向かい、残された真琴はリビングで紗友里と話し込んだ。

真琴が真剣に企画書に目を通していると、紗友里は頬杖をつき、気だるげに言った。

「ねえ真琴。昨日の信行、変だったわよ」

真琴は資料から顔を上げ、紗友里を見る。

紗友里は続けた。

「真琴を見る目が違ってたし、甲斐甲斐しく世話焼いたりしてさ。極めつけは、みんなの前であんたにキスしたことよ。

昨日の様子だと……信行のやつ、あんたに惚れたんじゃない?」

紗友里が言う細かいことは、酔っていたせいで記憶が曖昧だ。

資料を持ったまま、真琴は笑って受け流した。

「別れ際の、最後の情けでしょ」

紗友里は即座に否定した。

「違う、絶対違うわ。あの由美に対してだって、あんなに愛おしそうな目はしてなか
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