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第5話

Author: 悪女ヨ
「さよならだ、楓」

俺は迷いなく電話を切って、スマホの電源を落とした。

飛行機のエンジン音を聞きながら、やっとすべてが終わったんだなって、解放感にひたっていた。

楓は、聡の家で、スマホを握りしめたまま呆然と立ちつくしていた。

その声はかすれていて、なにかの感情を必死に抑え込んでいるようだった。

「達也は……どこに行ったの?」

聡は腕を組んで、ふん、と鼻で笑った。

「へぇ、今ごろになって聞くんだ?

達也はもう行ったよ」

「行った?どういうこと?

どこに行ったのよ!?」

聡は肩をすくめて、わざと意地の悪そうな笑みを浮かべた。

「俺が教えると思うか?」

楓の目つきが、すっと冷たくなった。「谷口さん、あなたと遊んでる時間はないの」

「おっと、太田(おおた)社長も焦るとそんな顔するんだ?」

聡はわざとらしくため息をつくと、向き直って玄関まで歩き、勢いよくドアを開けた。

「さあ、帰った帰った。あんたは歓迎してないんだよ」

楓は、その場で動かない。表情は怒りと戸惑いでめまぐるしく変わっていた。

「今日、また籍を入れる約束だったの。こんなふうに、いなくなるなんて許さ
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