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第3話

ผู้เขียน: ちびネジ
再び目を覚ました時、純佳はすでに早川家が経営する私立病院の特別病室に横たわっていた。

静まり返った病室には、ツンとする消毒液の匂いが漂っている。

重い瞼どうにか開けると、傍らで看護師が自分の腕に何か処置をしているのが見えた。彼女は手元の作業に集中しており、純佳が意識を取り戻したことにはまったく気づいていない。

少し隙間の開いたドア越しに、慎一の冷ややかな声が飛び込んできた。

「必要なだけ血を抜け。絶対に佑紀子の命を救うんだ!」

医師が焦った声で返す。

「しかし、慎一様。内山様は交通事故による大量出血で、通常の献血量よりはるかに多くの血を必要としています。これ以上奥様の血を抜き続ければ、奥様ご自身の命にも危険が及びます……」

その言葉に、慎一の顔に一瞬ためらいが走った。彼はうつむき、自分の服にべっとりと染み付いた血痕に目を落とした。

すべて佑紀子の血だ。

かつて佑紀子が飛行機事故に遭った時の、あの奈落の底に突き落とされるような恐怖が再び蘇り、彼のわずかに残った理性を呑み込んでいく。

慎一はごくりと喉を鳴らし、冷たい声を絞り出した。

「構わない。純佳は佑紀子と同じ血液型だ。あいつの方が体力もあるし、これしきの血を抜いたところで何の影響もない……」

必死に自らの内に渦巻く恐怖を鎮めようとしているようだった。

二度と佑紀子を失うわけにはいかない。

「しかし……」

医師が言葉を濁すと、慎一は待ちきれないように遮った。

「俺は純佳の夫であり、この病院のオーナーだ!あいつの血で佑紀子を救うと、俺が決めたんだ」

その直後、遠くから足早に近づく声がした。

「医長、血液センターから連絡です!緊急手配した血液パックが、あと一時間で到着します!」

「よかった、すぐに担当の者に伝えろ。奥様から予定していた量を抜く必要はない、半分でいいと!」

医師が安堵の声を上げる。

誰かが病室のドアを開けて入ろうとしたその瞬間、慎一が不意に声を上げ、それを制止した。

「いや!予定通りに抜け。佑紀子を少しの危険にすら晒すわけにはいかない。余った分は……予備として置いておけ」

外の会話が次第に鮮明に聞こえてきたのと同時に、純佳は不意に腕をアリに噛まれたようなチクッとした痛みを感じた。

顔を向けると、点滴のチューブはすでに赤く染まり、真っ赤な血がとめどなく純佳の体から吸い上げられている。

彼女は無意識に腕を引っ込めようとした。

だが力の加減が効かず、テーブルの上に置かれていた金属製のトレイをひっくり返してしまう。

ガシャンという激しい落下音に看護師が飛び上がって驚き、すぐに我に返って慌てて純佳の腕を押さえつけようとした。

純佳はそれを躱すことなく、逆に腕に刺さっていた針を強引に引き抜いた。腕一面に血が流れ出す。

ドアの外で騒ぎを聞きつけた慎一が即座に踏み込んできて、怒鳴り声を上げた。

「純佳!一体何の真似だ!」

血の気が引き青ざめた顔を上げ、純佳は背中の傷が裂ける痛みも構わずに身を起こし、慎一を警戒して睨みつけた。

「それはこっちのセリフよ!」

彼は散乱した惨状に忌々しげに眉をひそめたが、すぐに感情を押し殺した。純佳の血塗れの腕から視線を外し、無理に穏やかな口調を繕って言い訳を始めた。

「大事な取引先が交通事故に遭って、緊急の輸血が必要になったんだ。だが血液の在庫が底を突いていて、ちょうどお前と血液型が同じだったから、医師に頼んで血を抜かせたんだ」

顔色一つ変えずに平然と嘘をつく様子に、純佳は思わず鼻で笑ってしまった。

取引先?

今になってもまだ自分を騙し通せると思っているのか。

純佳は再び、看護師が近づけてきた医療器具を払いのけた。

「相手は重要な取引先なんだ。協力しろ!」

慎一は不機嫌に顔をしかめた。

その威圧的で不機嫌な顔は、この一年間、純佳が最も見慣れたものだった。

以前は父の恩義のこともあり、また桃香のためにも、二人の関係を少しでも良好に保とうと気を遣い、彼の機嫌を取るような振る舞いを自ら進んで行っていた。

慎一が少しでも笑いかけてくれることだけを願って。

だが今思えば、彼のその不満の表情は妻の行動に向けられたものではなく、単に彼女が自分の思い通りにならないことに対する苛立ちに過ぎなかった。

「協力ですって!?あんたと内山の茶番に、このまま付き合えと言うの!

いつまで騙し続けるつもり!」

胸に渦巻く怒りを抑えきれず、純佳は激しく問い詰めた。

彼は一瞬呆然としたが、立ち直った後の顔つきにはほとんど変化がなかった。まるで純佳が真実を知ったことなど、どうでもいい些細なことだとでも言わんばかりだ。

「知っていたというなら話は早い。さっさと医師の指示に従え。佑紀子の治療を遅らせるな!」

続いて、オーナーの絶対的な命令に逆らえない看護師たちが、外から何人もなだれ込んできた。一斉に純佳の腕を引っ張り、強引にベッドへ押さえつけようとする。

もみ合いになる中、竹刀で打たれた背中の傷口がさらに無残に引き裂かれた。

絶え間なく襲い来る鋭い痛みが神経を削り、あっという間に純佳の額には冷や汗が滲み出た。

「離して!あの女に血なんて絶対に提供しない!」

純佳は必死に身をよじって抵抗する。

嘘をついたのは慎一の方だというのに、どうして自分がその代償を支払わなければならないのか。

こんな理不尽があるものか!

慎一は、絶望に満ちた純佳の瞳を見下ろしながらも、ただ微かに眉をひそめただけで、傍らの看護師に冷酷に命じた。

「鎮静剤を打て。すぐに血を抜け」

純佳は目を大きく見開き、必死にもがきながら後ろへ逃れようとする。

「慎一!あんた狂ってる!ふざけないでよ!あの女のために血なんか絶対にやらない、離してっ!」

冷たい針が容赦なく腕に突き刺さる。耳元には、氷のように冷徹な慎一の声が響いた。

「俺はお前の夫だ。お前に拒否権なんてない。これは、お前が佑紀子に対して犯した罪だ。贖え」

「やめて……離してっ!!」

薬が回り始め、純佳の意識は再び混濁していく。瞬く間に、体がふわりと軽くなっていった。

次に意識を取り戻した時には、すでに一週間が経過していた。

激しく抵抗した際についた腕の青痣はまだ消えず、背中の傷口は治りかけの痒みを伴い始めている。

夢ではなかった。

慎一は本当に、あの女のために自分の血を抜いた!

慌てて体を起こし、病室を出ようとした途端、廊下で看護師たちが佑紀子について噂話をしているのが耳に入った。

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