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第11話

Author: 夜宮紫
浩輔は、魂が抜けたように重い足取りで、仮住まいの賃貸マンションに戻った。

かつての家に比べれば、ここはぬくもりのかけらもない、がらんどうの冷たい箱だった。

引っ越すときは、これは一時的なものだと思っていた。いずれあの家へ戻るのだと。

けれど、家が売られたという決定的な事実が、彼に思い知らせた。

自分と千夜子は、本当に離婚したのだ。

かつての家には戻れない。そこにいた人の姿も、もうどこにも見当たらない。

浩輔には、大学で千夜子を待ち伏せするしか手がなかった。

翌日、仕事のあとに彼女の研究室を訪ねると、意外にも紗和の姿もあった。

千夜子は冷ややかに彼を一瞥しただけで、黙々と帰り支度を始めた。

ペンを置くなり、前日のいざこざなど悪い夢だったかのように、紗和は浩輔のそばへ愛想よく寄ってきた。

「ねえ、行こー?ご飯は激辛ラーメンにしましょうよ」

浩輔は表情を変えずに、紗和から半歩ほど離れた。言葉は紗和に向けながら、目はずっと千夜子を捉えている。

「先に行っていてくれ。千夜子に話がある」

紗和の笑顔が不自然に固まった。唇を噛み、しばらくしてやっと絞り出す。

「……学食で
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