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75.初めてのデート

作者: 桜立風
last update publish date: 2026-05-04 11:13:21

車がどこに向かっているのか、私には見当もつかなかったけれど、なぜかそんなことはどうでもいいと思ってしまった。

「ごめんなさい……」

「なにが、?」

「麗香さんと結婚すること、ちゃんと受け入れていたのに、手を差し伸べられて、振り払えなかったこと……」

どれほど自分を偽ってきたのだろう。

結婚式をこの目で見届けたら、諦められると思っていたのに。

全然違う世界で生きていくと思っていたのに。

「バカな女……」

片手で器用にハンドルを操作しながら、もう片方の腕で桜の肩を抱く龍之介。

「バカすぎて愛しくて、離せるかよ」

百合の花が咲いているであろう胸に、桜は頭を寄せる。

そして龍之介の腰に手を回し、自分からきつく抱きついた。

「……桜、」

信号で車が停車すると、憂いを含んだ瞳が近づいてくる。

唇が重なって、擦れ合い、何度も愛しく……食む。

「……龍之介さん、クラクションが、」

「鳴らせとけ……」

「ダメです、警察来ちゃう……」

口内を犯していた舌が、名残惜しそうに唇を舐めて、車はやっと動き出した。

「……え、ここは」

車が滑り込んだのは、意外にも有名な観光地だった。

季節折々の花々や樹木が、広大
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    「……ちょうどいいや、邪魔すんなって、言ってくる」携帯を掲げ、龍之介は雨の中へと走り出した。……あの時どうして、行かないで、と言わなかったんだろう。言ったら、何かが変わったかもしれない。携帯には出ないでと言っていれば、龍之介はきっとそうしてくれた。そしたら、最果ての地へ……連れて行ってくれたのに。けれど龍之介は土砂降りの雨の中、行ってしまった。……私の見えないところへ。……………  …………………「いらっしゃいませ……あ、真理さん!」「こんにちは!どうしてるかな……と思って寄ってみたの」「おかげさまで……元気にしてますよ?」季節は移ろい、また、桜の季節になった。東京

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  • 極道と、咲き乱れる桜の恋   73.イメクラにて……

    「それなら俺が指名する」「はぁ?なんだよそれ……体験入店で指名とか、できるわけないだろ」「だったら体験入店なんてさせるかよ」キッパリ言って、龍之介は桜を見下ろす。その熱いまなざしに、蔵之介は呆れたような諦めたような表情になり、指先で追い払うような仕草をして見せた。 「体験入店で指名ってあんまり聞かないけど……普通にお金を払ってくれるならいいよ?」「紗奈の部屋」という場所に潜入し、こちらの希望を伝えると、店長はそう言って龍之介に片手を差し出した。2時間コース2万円に1万プラスして、龍之介は店長の胸ぐらをつかんだ。「……ちょっと探してる奴がいるんだわ。モニター見せてくんねぇか」

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