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36.会いに行きたいんだ

Penulis: 桜立風
last update Tanggal publikasi: 2026-05-04 13:05:11

ただならぬ凛花の様子に、鮫島も一層表情を引き締めた時……

「……待てよ」

鮫島の腕にかけた凛花の手を、蓮の手が取る。

「お父さんに、挨拶に行くから」

いつの間に戻ってきたのか……振り向くと蓮がいた。

いつもなら大げさに驚くが、今は、それどころではない。

「なに……言ってるんですか、私、知ってるんですよ?!」

取り乱し、蓮の胸を叩く。

「背の高い男の人が、私に……あなたの末路を、」

「わかってる」

「だったらどうして…?!どうして私を遠ざけないんですかっ」

2人のやり取りを、どうしたものかと見つめる鮫島。

「いいんだ」

「な……何がいいんですか」

「逆に……お前に何も害がないのなら、ホッとした」

「なんですかっ…それっ」

凛花は叩く腕にいっそう力を込める。

「そんなタイプじゃないでしょう?人を心配するんですか?まずは自分が有利になるように動くタイプでしょっ!」

「ずいぶんな言い方だな」

余裕で笑う蓮に、歯向かう凛花。叩く手をそっと止めて、蓮は自分の胴体に巻き付ける。

「俺の末路が、見せられた通りなら、俺はよけいにお前の父親に挨拶に行きたい」

凛花は泣きながら、まだ言い返したい様子だが、
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