INICIAR SESIÓN私は、エッチなことが好きです。
学生時代から数だけならかなりの男性と関係を持ってきました。
酷い男にソープへ売られたときでさえ——むしろ「天職かも♡」と感じたほどに、私は性に貪欲でした。
けれど、そんな私の人生に転機が訪れました。
大袈裟ではなく、天啓のように思えるほどの出会い。
その瞬間、私は悟ったのです。
——ああ、この人だ、と。
「はじめまして♡ いろはです♡」
いつもと同じ仕事、同じ段取り。
相手が誰かなんて関係ない。
身体を重ねれば私も潤う、相手も満足、財布も満たされる。
これが私の中での“最適解”でした。
なのに、その日は違った。
どこにでもいる普通のおじさん。
威圧的でもなく、知的アピールもせず、ただ礼儀正しいだけの人——そう思ったのに。
すべてを奪われました。
これまでの快楽は前座にすぎなかった。
欲しい言葉を欲しい瞬間にくれる優しさ、激しさ、体温。
ほんのひと匙の気遣いが、私の心を根こそぎ攫っていく。
“最高”ではなく“最適”。
その答えを、ヤスタカさんは一度で叩き込んでいきました。
私の心も体も“あの人のためのものだ”と理解させられるほどに。
―
「ほうほう……それで? あの美人ライターさんを完全KOして帰ってきたと。武勇伝を聞かされてるんですか私は」
ヤスタカさんの部屋。
仁王立ちの私と、土下座するヤスタカさん。
「いや、武勇伝とかじゃなくてな!? いろはには隠し事をしたくなくてだな……酔った勢いというか……つまり、ごめんなさい! 浮気しました!」
必死な謝罪。
怒ってはいない。けれど、これは儀式だ。
ヤスタカさんの“心の形”を守るために必要な段取り。
許しを経て、ようやく彼は安心できる。
だから私は淡々と確認し、そして告げる。
「無理やりしたわけではないんですよね? 傷つけてもいない? ……わかりました。なら許します」
本当は少し嫉妬している。
でも乙女心なんてそんなもの。
「ただし罰を与えます。私がいいというまで禁欲です。いいですね?」
罪と罰はセット。これは二人のための“形”でもある。
―
そして私は気づきました。
この異常なまでの性欲の増大は、ひょっとして——
[創作欲の発露]では?
小説家との会話、フリーライターとの共同作業。
創作の火種が大きくなるほどに、ヤスタカさんの性欲も増えている。
夜の濃度が落ちないどころか、むしろ増している。
どうにかしなければ……
搾り続ける?
無理だ。物理的に。そもそも普通の男なら逃げ出す程度には搾っている。
創作を諦めてもらう?
そんなのは死刑宣告だ。
ぐるぐると思考の輪を回していたある日——閃きが落ちてきた。
―
「というわけで、4Pしませんか?♡」
私の提案に、しずかさんもようこさんも固まってしまった。端的が過ぎたようです。
「……いろはちゃん……もう少し説明してくれないかしら……したところで納得出来そうに無い内容だけど……」
今はしずかさんの部屋。ヤスタカさんは自室で禁欲の真っ最中。聞き耳を立ててはいないでしょう。
速やかに行動に移したかったのだけれど、確かに説明は必要でした。
「そうですね……ヤスタカさんって、絶倫じゃないですか。1人では太刀打ちできないほどに……」
「いや、知らないし……なんでこっちがヤスタカの性事情を知ってる前提なの?」
しずかさんはもっともらしいことを言ってきましたがわたしは知っています。
かなりの頻度でこちらの声を聞いていることを。
あえてこちらからは言いませんが……
「あ〜でもそうね……あれを1人で相手にするのは大変よね……いろはちゃん凄いわよね」
「……ちょっと!なんであんたが知ってるのよ!いつの間に?羨ま……じゃない……節操なさ過ぎない!?やめてよ知り合いどうしで男取り合うとか!ごめんねいろはちゃん!こいつのこういうとこわかってたのに……」
しずかさんが頭を下げてきましたが、今はそこはどうでもいいです。
私は笑顔で大袈裟に両手を振り、しずかさんの謝罪を軽く流しました。
「あ〜いや、ようこさんの件はヤスタカさんから聞いているんでいいんです。まあそれでいま禁欲させてるんですが……」
「え……いろはちゃん?それは自分の首を絞めてない?ただでさえ凶悪なあの性欲が暴走したら……」
ようこさんは何かを思い出したように震え出しました。顔は恍惚の表情でしたが。
「はい…… だから最初の提案なんです。4Pしましょう♡」
私は考えました。そして、ひどく単純な解決策を見出しました。それは、“1人が無理なら人数を増やす”です。
「……ごめん……頭が痛くなってきた……あなたはそれでいいの?自分の男が目の前で他の女に盛ってるなんて、普通見てられないでしょ?」
私は、私の仮説を2人に説明した。
“創作欲と性欲の関係性”について。
しずかさんはヤスタカさんとしたことが無いし、ようこさんとは一晩きり。確かに納得できる要素は一つもない。
けど、私も必死だ。仮説の通りなら、創作熱を燻らせたヤスタカさんは壊れてしまう。それだけは絶対に嫌。例え私の目の前で私以外の女性と体を重ねていても、ヤスタカさんが壊れることに比べたら大したことではない。
……それに、私自身複数人の経験もあるからそんなに忌避感がないのだ。
「そうなのね……けどごめんなさい、私はヤスタカとは友達でいたいの……」
しずかさんは申し訳なさそうに頭を下げる。
正直惜しい……しずかさんも絶対気があるのに……この理性を解きほぐすには時間がかかりそう。
「私はいいわよ?彼女公認とか面白そうじゃない?今度は逆に気絶させてやるわ……ふふ……」
「あら、あんた気絶させられたの?あんたが弱すぎるんじゃないの?」
ハッとするようこさん。うっかりさんで可愛いですけど、これは仕方ない。今のヤスタカさんはそれくらい危険なのだから。
「うるさいわね!私が弱いんじゃなくて彼が強すぎるの!それこそあんたもしてみなさいよ!舐めてると痛い目に遭うわよ!?あ〜でも舐めたら喜ぶかも♡」
「……おっさんめ……だからしないってば……興味もない。あなたたちだけでなんとかしてきなさい」
半ば呆れながら手をヒラヒラさせて、取りつく島なしのしずかさん。
……どうせ聞き耳立ててパンドラの箱のお世話になるくせに……
「わかりました。ではようこさん、お願いできますか?」
「うん、オッケー♡
あ、ねえ、いろはちゃんに聞きたかったんだけど、彼ってそんなに大きいわけじゃないじゃない?なんであんなに的確に突いてくるの?」
ようこさんは軽く踏み込んでくる。なるほどこの軽さはドロドロにならずに済みそう。
「あんた!初手からそれ!?シラフでしていい話題じゃないでしょ!……けど……そうなの?」
しずかさんは興味のないそぶりが下手すぎますね。でもまあここは布石を置いておきましょう。
「そうですね……確かに大きさでいえば普通ですけど……15cmですから。ヤスタカさんって始めのうちは丁寧じゃないですか。本人に自覚はないみたいですけど、その時に探ってるのかも……」
具体的な数字を出して、しずかさんの想像力を煽る。効き目は抜群のようです。
「あなたも答えなくていいわよ!……15cmね……」
小声で呟きながら頭の中にインプットしています。明日には15cmが宅配されそうですね。
「あ〜それは確かにそうかも、あの丁寧さはちょっと焦らされてるようで……けどだんだんポイント押さえていく……で、急にテンポ変えてくるからそりゃ気持ちいいわけよね♡」
「あんたたち……いい加減にしなさいよ……具体的な話をここで始めないでちょうだい」
「わかったわよ……ねぇいろはちゃん、連絡先交換しましょ。早い方がいいわよね。リスケするからいろはちゃんの都合のいい日、後で教えてね」
「わかりました。では第1回対策会議はここでお開きにしましょう」
「……2回目以降は他所でやってよ……」
ー
対策会議から数日後。ヤスタカさんはちゃんと禁欲を守って1人でもしていないようです。仕事をしながらも爆発寸前なのがみて取れます。
ピンポーン
ヤスタカさんはインターホンに移る人物を見た瞬間、この世の終わりのように青ざめていました。
現れたようこさんをダイニングに案内して、ヤスタカさんは流れるように土下座した。
私たちはうっかりしていました。
今の状況は、“同棲中の彼女の元に、浮気相手襲来”。
どう考えても普通なら修羅場だった。
サプライズで友達を呼ぶだけだったのだが、ヤスタカさんから見れば自分の罪を眼前に突きつけられた状態だった。
「ヤスタカさん!やめてください!私たちちゃんと和解して、友達として泊まりに来てもらっただけですから!」
「そうよ〜あの件は忘れて仲良くしましょ。"ただの仕事仲間とその彼女"として」
「そ、そうなのか……お前らいつの間にそんな仲良く……それも泊まりって……」
ヤスタカさんは、少し安心しつつも残念そうな顔をした。"泊まりということは今夜もお預け"と宣告されたようなものですから。
「ま、まあ、2人が仲良いのはいいことだ……な……どうぞ上がって」
ようこさんをリビングに促す。すると、部屋を見渡したようこさんがこんなことを言っていました。
「……ねえ……しずかの部屋って隣よね……つまり間取りが反対以外は同じはすよね……なんでこんなにイメージ違うの?」
答えは言わずもがな、しずかさんが残念だからです。
「取り敢えず座ってて下さい。もうすぐご飯できますから。ようこさんお酒は買ってきましたか?」
ー
いつもは2人だけの時間……人が増えると楽しいです。ご飯もお酒も進みます。
そんな和やかな空気にようこさんは爆弾を投入。
「そーいやヤスタカ……あんた禁欲中なんだって?
バカね〜黙ってればいいのに……まだ続いてるの?」
盛大にお酒を吹き出すヤスタカさん。
テーブルを拭きつつかなりの狼狽ぶりに思わず笑ってしまう。
「そうだよ!取材から帰ってからすぐ土下座してそれからは1人でもしてない!これで満足か!?」
半ばやけになって答えるヤスタカさん。
可愛いなぁ……
ー
宴もたけなわ、片付けをしながらヤスタカさんをベッドに誘導。ここからが今回の作戦です。
「ヤスタカさん、私たちは片付けしてお風呂入ってから寝ますから、先に寝てて下さいね♡」
「ああ、わかったよ。ようこも片付けありがとうな……
けど……なんか様子が……気のせいか?」
ヤスタカさんは、私たちの様子に違和感を感じているようでした。けど、ここまできたらもう逃しません。
ー
片付けも終わり、私もようこさんもお風呂に入り、準備は万端……ヤスタカさんは爆発寸前……程よいお酒で気分も高揚……いよいよです!
コンコン
「いろは?どうした?いつもはノックなんて……」
ヤスタカさんは言葉に詰まってしまった。
それはそうでしょう。
そこに現れたのは、スケスケのネグリジェに身を包んだ美女“2人”。私とようこさん。
「な!なんで2人で!その格好!どういうこと!?」
突然の事態に慌てふためくヤスタカさん。
「んふ♡お待たせしました!解禁日♡ですよ♡どうですかこれ♡可愛いでしょ♡」
正直に言えば少し緊張しています。恐怖……と言ってもいいかもしれません。
「いやおかしいだろ!どうしたらその禁欲のキッカケと2人で来るんだよ!」
「まあまあ……そのことは一旦置いといて……どう?美女2人との3Pよ?嬉しいでしょ?」
私と色違いのネグリジェに身を包んだようこさんはとても楽しげです。……大丈夫でしょうか……
「いや……嬉しいかと聞かれたら……いやダメだ!これは……」
まだ抵抗するヤスタカさんの口を無理やり塞いで、2人がかりの攻撃。爆発寸前のヤスタカさんは諦めたのか、抵抗が止んだ。
「そうそうヤスタカさん♡今日は私たちに委ねて下さいね♡……って……視覚効果は抜群みたいですね♡ヤスタカさんも準備万端です♡」
ー
「ほら……ここ……ここ引っ張ったら……ほら♡」
「ん……ん……んん!♡プハ♡」
「あ……うわ……すごいわねいろはちゃん……あ……根本まで……ん……なんて……」
「ソープの時でもできなかったんですよ。ヤスタカさんにだけ、何故かできちゃうんです♡
愛情ですね♡」
ー
「ふふ……まだ元気ね……さすがヤスタカ……でもまだ夜は長いわよ?」
「ね♡ヤスタカさん……最後はいろは……でしょ?」
ー
「ゴク……ゴク……ぷは……ちょっと休憩……交代で休めるって助かるわ……」
「ちょっと……んん♡ようこ♡さん♡休憩……あん♡多く無いですか?んん!♡」
ー
「ちょ……ん♡はあ……まだ……できるんですか?いいですよ♡来てください♡」
「ヤスタカ……ちょっと……休ませて……ん!」
ー
「……まだ……ですか……はい……どう、ぞ……」
「………」
ー
「お、そろそろ朝か……じゃあ、この辺でやめとくか……最後はいろは……だな……」
「………」
「………」
ー
「おはよう。2人とも遅かったな。朝食出来てるから食べようか」
ヤスタカさんは、まるで何事もなかったように……いや、心なしかいつもの3倍晴れやかな顔をしていた。
私はなんとかよろけながらも椅子に……ようこさんは……もはや自分の足では立てないようですが、なんとか這いずるように食卓に着いた。
完全な敗北です。
ー
「……プッ……クスッ……どうやら作戦大失敗って顔ね……というか……ちゃんと座りなさいよ……」
私とようこさんは、重い腰を庇いながらなんとか作戦会議室……しずかさんの部屋まで来られた。椅子にもまともに座れない程のダメージです。
しずかさんはというと、ちょっとニヤニヤ、だけどちょっと腰が引けています。
やたらツヤツヤしていて若干顔が赤い……これは確実に聞いてましたね。
「……いろはちゃん……何が“2人がかりなら大丈夫”よ!これなら1人の方がマシだったんじゃない!?
最初に勢いつけて一気に搾ればいけます♡って言ったわよね!?」
「これはあれですね……禁欲させたのが影響してます……検証になりませんでしたね……今夜こそ2人がかりで……」
「ちょっと!私の話聞いてた!?2人でも無理っていう話をしてたんだけど!?なにしれっと今夜も私を巻き込もうとしてるのよ!」
ようこさんの猛抗議も、ヤスタカさん対策に比べたら些事です。切り替えて今夜に備えましょう。
「昨日かなり搾りましたからね……検証は今夜からが本番です!」
拳を握って決意を固める私を見て、ようこさんは何かを感じ取ってその場を後にしようとしました。
そんなようこさんの肩を掴み……
「もちろん……今夜も付き合ってくれますよね?今日も明日も明後日もオフって言ってましたよね?」
ニッコリ
ピンポーン 私、“まあや”は、山奥の一軒家のチャイムを鳴らす。 ネットでこんな噂を耳にしたからだ。 人里離れた山奥に住まう、トップクリエイター集団の事を。 曰く、このハウスに入れば成功は約束されたようなものだと…… 例えば、視聴回数数百程度の動画のアカウントが日本でわずか数%の上位配信者に食い込んだとか。 ただ、悪い噂もある。 曰く、その団体の代表は、若い女性クリエイターを金で集めて性的に搾取していると…… 成功と性交を天秤にかけて……やかましいわ! こほん……つまり、私でもワンチャン成功できると言うこと!歌い手として! とはいえ、田舎から出てきてまた山奥の田舎に来ると言うのは正直複雑です。 でもそんなことは言ってられない。 動画で予習した限りでは、この巨大な日本家屋の中にとんでもない最新設備が備わっているとか。 だけど、設備だけで成功できるほどこの業界は甘く無い。なにか特別なノウハウが?いや、そんな怪しげなセミナーみたいな……歌い手として名をあげるのに、精神論のノウハウなんて学んでいる暇はない。 悪い方の噂にはちょうどいい田舎具合なのでしょうけど…… あれ?これは……早まったかも…… 成功したい一心であまり考えずに来てしまった…… そんな事を考えていると、玄関が開けられた。 しまった!チャイムを押していたんだった!「はーい。あなたがまあやさんね? ヤスタカ……代表から聞いてるわ。才能のありそうな歌い手なんですって?上がって。 ああ、私はしずか。小説家よ」&n
こんにちは、りえです。 皆さん私のことをチョロい女だと思っているようですが、そんなことはありません。 私だって、それなりに経験を積んだ大人の女です。 ほ、本当です!信じてください!ヤスタカさんが異常なんですよ! ー「さあいろは、帰りましょう」 ここは高校の教室。授業も終わり、部活に入っていない私といろはは帰る準備を整えていました。 そんなとき、いろはのスマホにLINEが……「ごめーんりえ!この間のおじさまからお誘い来ちゃった♡」「またですか?最近特に多くないですか?」 私の言葉に不思議そうな顔をするいろはは、確かに最近毎日学校終わりに誰かの元に行ってしまう。 なにやら2人の会話に齟齬を感じたいろははこともなげにこんな言葉を言い放ちます。「ああ違う違う。最近また人数増えちゃってさ。ローテーションしても毎日でも時間が足りなくて♡学校終わりから回らないと全員と会えないんだよね♡」 私はジト目でいろはを見ます。「回るって……ああそうですか。私には関係ありませんが、病気やトラブルは勘弁してくださいよ?」 何の話かといえばいろはのセフレの話です。 このいろはという子は、初体験は小学校、中学卒業の頃には経験人数が3桁に及び、女子高生というブランドが付いてからは加速度的に人数が増えていっています。 その間、“彼氏”と呼ばれる相手も何人かはいたようですが、彼女の性欲と多様なSEXへの探究心は、1人の男の背中には重過ぎるのです。 よって、“彼氏っぽい男”は絶えずいるのですが、いろはとしては1人に絞る気はないようです。前
いろはです。私の原点を語るとしましょう。 私の原点。即ちヤスタカさんとの出会いから、私が私になったと言えます。 それまでの私を語るには……BAN待ったなしの条例違反です。 ー 都内のソープランド。私の職場です。 経緯はアレですが、SEXが好き過ぎる私には天職でした。 今日も順調に趣味と実益の両立です♡「いろはちゃん。今日のラストは新規で90分、オプションは即尺とマットね。ラストだから延長ガッポリ稼いできてよ」「はーい♡私、明日休みなんで閉店朝でもいいですか?♡」「む……オプション追加できたらな?」「任せてください!タマタマも財布も空にしてやりますよ!♡」 ー「初めまして、いろはです♡」「初めまして、ヤスタカです。きょ、今日はよろしくお願いします」 ベビードールに身を包み、三つ指をついて出迎える私。 恐らく風俗経験が乏しく緊張が伺えるその人は40代後半といったところでしょうか。 白髪混じりの髪と、苦労を物語るほうれい線が浮かぶ顔。 身長はそこそこ高いし筋肉もありそうですが、“使うための筋肉”のようです。 ガテン系によくあるオラ付きが見えないことから製造工場勤務といったところでしょうか。「んふ♡緊張してるんですか?身構える必要ありませんよ♡どうかリラックスしてください♡良かったら敬語も無くして欲しいです。無理にとは言えないですけど……」 私は、相手が不慣れと見るや早速あざとく親密度を改ざんします。 少し悲しげな表情で上目遣いで“可愛いお願い
朝は驚いた。“私たちはみんな壊れている”。そう突きつけられた。ううん、突きつけられるまでもなく、このハウスが異常なのはわかっていたこと……だけど、ああもハッキリ言われると考えざるを得ない。思えば私はこんなんだったっけ?ヤスタカに恋して、ヤスタカについてきて、ヤスタカと交わって……これだけなら普通の恋愛。けどその間に7人もいるのは確かにおかしい……気がする……そんな関係も朝の話でどうなるやら……なんて思っていたけど……「ちょっとめぐみ……あなたここの倫理観に物申してなかった?なんで今日の今日で参加してるのよ……」夜。ここはヤスタカの部屋。朝の話で参加者が減ればヤスタカを独占できるかも、なんて思ったのに……「あははは……いやぁ普通じゃないとは思ってるのよ?けどまぁそれはそれ。“だからしない”とはならないわよ。気持ちいいSEXは別腹みたいな?あん!♡」「めぐみ、集中しろよ。全力が見たいんだろ?」「あ!そ、そう!遠慮しないで!ん!ん!♡あ、これヤバい!奥!潰れちゃう!あ"〜!」もう……ヤスタカの全力……私がお願いしようと思ったのに……というか、なんで全員いるのよ。朝あんな空気になってもすることはするとか……みんな性と思想が乖離しすぎよ……
「ん、ん、ん、そう……そこ!もっと……強く!」「くっ……!まだ!?ちょ……休ませて……」私は、男の人が崩れていく表情が好き。もちろん行為自体も大好きだけどね。でもハウスに住んでから、ちょーっと物足りないのもホント。ー「ふぅ!ようこちゃん……良かったよ」ベッドでうつ伏せになる男。タバコをふかす角度、満足げな表情と間。私はまだ足りないくらいだけど……でもこれくらいが“普通で日常”。大人の……恋愛ゲーム……気絶する方が、私の遍歴の中では異常事態。ヤスタカはバグね。「ふふ……そう?ありがと。じゃ、私は帰るわね?また連絡ちょうだい♡」「ああ、じゃあこれ、タクシー代。また連絡するよ」そう、これこれ。ドライでウェットな余裕ある大人の会話。そして私は余裕のある大人の女。妖艶で性剛で自由に生きる大人の女。ー「あ!あ!強すぎ!あ!あ!あ〜!♡……もう……無理……」バグには連戦連敗。なんならヤスタカも狙ってるわよね。ほんと、嫌な男。「あ、ようこ……またか……」
今日もハウスは通常運行。(これが通常?そんなわけない……はずよね?)不健全どころか、ハウスに来る前より健全だ。夜中に仕事をする人間が激減。朝起きて、ご飯を食べて、仕事して、夜はみんなでまったりと過ごす。夜型の多いクリエイター集団でこれは、なんなら一般家庭より健康的でしょう。(字面だけは……ね……)健康な大人の男女が交わるのも普通。むしろ、何もない方が不健全じゃないかしら?(そう思ってしまう自分がおかしいんでしょうね……本当は)大人数が暮らせばそういうことも……致し方ないんでしょうね。(致し方ない?普通は1対1。じゃなかったかしら……)……まあ、気を失うのが日常なのは、少し危険な香りがしなくもないけど。(うん、これは流石にアウト)ー「みんなおはよう!めぐみはさっきぶりだな」ヤスタカの、静かな朝の空気を切り裂く声。いつも思うけど、この人いつ寝てるのかしらね。ショートスリーパーってやつ?「おはよう。今日は朝ごはんの当番私だからね。他のみんなは?あいの拘束、ちゃんと解いてきた?」一時期少し悩んでたみたいだけど、すっかり晴れやかになって……罪悪感は消えたのかしら。ううん、違うわねこれは。抱えたまま前を向いている……そんなとこ







