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第3話

Author: 蘇璃
デスクの上には、私と智也のツーショット写真が飾られている。

それは、私たちが初めてデートした時に撮ったものだ。

こうして結婚に至ったことを思い返すと、本当に簡単な道のりではなかった。

智也は円満な家庭で育ち、両親は仲が良く、生活にも不自由はない。

一方、私の両親は早くに離婚し、どちらも私を引き取るつもりはなかった。

私という「厄介者」を押し付け合うようにして。

裁判の結果、私は父に引き取られることになり、母は振り返ることもなく荷物を抱えて家を出た。

私の父は最低な人間だった。

酒とギャンブルに溺れ、私の存在などどうでもいいかのように扱った。

酔えば私を殴り、ギャンブルで負けても私を殴る。

私は必死で抵抗したが、父の暴力はさらに荒れ狂い、命を奪われかねない勢いだった。

だから私は諦めて、反抗することをやめた。

ただ静かに、彼が怒りを発散し終えるのを待つようになった。

そんな父も、ある日突然死んだ。

真冬の寒い夜に酔っ払って外で寝込み、そのまま凍死したのだ。

その知らせを聞いたとき、私はどうしていいかわからなかった。

長年積み重ねてきた憎しみは行き場を失い、ただ呆然とした。

それでも、気づけば笑っていた。

涙が出るほど大声で笑っていた。

家中をひっくり返して金を探し、なんとか少しだけ見つけ出した。

そのお金で新しいランドセルを買い、住民票を持って自分で学校に入学手続きをした。

しかし、お金はすぐに尽きた。

私は仕方なく母親を訪ねることにした。

彼女は美貌を武器に再婚し、金持ちの家に入っていた。

彼女と再会したとき、彼女は地面に寝転がって駄々をこねる子どもを宥めていた。

その子どもは彼女を突き飛ばし、こう言った。

「お前なんか、俺の母さんじゃない!」

私は彼女を助け起こそうとしたが、彼女は私の顔を見るなり表情を変え、私を路地裏に引きずり込んだ。

「ここに何しに来たのよ!あんた、私が幸せに暮らしてるのが気に入らないわけ?!」

彼女は私のことを覚えていた。

自分に娘がいることも、その娘の顔も。

「お金をもらいに来たの」

彼女は私を嫌悪の目で睨みつけ、言い放った。

「あんた、あの男と同じね。恥ずかしい存在だわ」

私は彼女の服を掴んで離さなかった。

すると、彼女は平手打ちをくらわせてきた。顔が焼けるように痛かった。

「私、未成年だよ。あなたには養育義務がある」

「お金をくれないなら、訴える。今の旦那さんにも話す」

震える手を必死に抑え、テレビで見た大人の真似をした。

彼女は渋々、小銭を投げるようにして一束のお金を寄越した。

私はそれを地面から拾い集め、まるで宝物のように抱きしめた。

「これから毎月ちゃんと生活費を送って。送らないなら、家に乗り込むから」

彼女は再び手を振り上げた。

「この小娘が!」

私はその場から全力で逃げ出した。

冷たい風が顔に刺さるようだったが、私はそのお金を必死で握りしめ、また笑った。

お金があれば、学校に通える――。

その後、私は名前を「雪乃」に変えた。

名門大学を出たこと以外、私には近藤家に認められるような要素は何一つなかった。

それでも智也は私との結婚を望み、絶食をし、雨の中で土下座までした。

彼は自分をボロボロにし、近藤家の両親は折れるしかなかった。

だから私は、智也をもっともっと大切にしようと思っている。

考えを振り払って、残りの仕事に集中した。

昼休みになったが、智也はまだ来なかった。

私はスマホを取り出し、メッセージを送った。

「今どの辺?渋滞してるの?車は無理しないでね。オフィスで待ってるから」

その時、秘書がドアをノックしてきた。

「横山社長、一緒にお昼どうですか?」

私は笑って首を振った。

「主人が昼ご飯を持ってきてくれるので」

秘書は新卒の若い子で、にやりと笑って言った。

「いいですね~。本当に仲がいいんですね!」

その時、スマホが通知音を鳴らした。

画面を見ると、智也からの返信ではなかった。

「横山社長、智也さんが桜さんと一緒にいました」

その下には数枚の写真が添付されていた。

そこには二人の親密な様子が映っていた。

桜の可愛らしい顔には涙が伝い、智也が丁寧にそれを拭っている。

探偵を雇った甲斐があったのか、写真の画質は鮮明だった。

二人が並ぶ姿はどこか美しく、まるで苦難を乗り越えたドラマの主人公のようだった。

私は全身が冷たくなり、スマホが手から滑り落ちた。

拾おうとしたが、なぜか指が届かなかった。

ぼんやりと瞬きをする。

幼い頃からの経験が、私を感傷的になることを許さなかった。

まずはどうすれば自分の利益を最大化できるかを考え始める。

名義の不動産、車、株式、そして――お腹の子ども。

頭の中で素早く計算を済ませ、私は小さく息を吐いた。

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