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74話 家へ

Author: 子猫
last update publish date: 2026-03-29 19:00:00

これから家をなくす優希にとって窓の外に流れる家はどれも温かいものに見え、思わず目を伏せる。

「…優希さんにはお腹の赤ちゃんたちがついてます。産まれれば寂しいと感じる余裕もないですよ。」

説得力のある和珠の言葉に優希の顔がリラックスしたものになった。

暗い車内には軽快な音楽が流れ、肩の力を抜いた優希は小さく口ずさむ。

それに続くように将生も歌い始めると、いつのまにか和珠も含めて3人で歌っていた。

心の隅で感じる不安に気づかないふりをして、優希は楽しそうに笑った。

「うわぁ、どこ見ても大きな家ばかりですね。」

自宅がある住宅地に入ると自然と合唱も止み、車内は静かになった。

いかにも裕福な家族が住んでいそうな家を興味深そうに見る和珠の横で、優希は落ち着かない気持ちで
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