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19話

Author: 水沼早紀
last update Last Updated: 2026-01-07 08:40:25

そんな笑顔を向けられたら、不思議とドキドしてしまう気がした。

そんなことを思っていると、高城藍がわたしの手をぎゅっと握りしめる。

「こっち来て、透子」

そうして花畑の真ん中まで連れて来られた。

「藍……? どうしたの?」

「透子、何度でも言う。俺と結婚してほしい」

藍からまたプロポーズを受けた。 今度は、結婚指輪付きで。

「……え?」

ちょっと待って……。こんなところでプロポーズするの……?

ちょっと待って。そんなのズルくない……?

そんな風にされたら、断わることが出来ない雰囲気になるじゃん……。

「透子も赤ちゃんも、この俺が必ず幸せにすると約束する。……俺が生涯愛するのは透子、君だけだ。なんなら誓ってもいい、この指輪に」

「……なんで、そこまでして」

そんなこと言われても、何も言い返すことの出来ないわたしって……。もしかしてこの男に、少しでも期待を持ってるってことなの?

この前みたいに、断ろうと思ったの。 本当にそう思っていたのに……。

「……っ」

なぜかそれが出来ないーーー。

「愛してる、透子。 だから、俺と結婚してほしい」

そう言って答える間もなく、彼はわたしの左手を取り、わたしの左手の薬指にその結婚指輪をそっと嵌めた。

その指輪のダイヤがキラキラと輝いていて、とてもキレイな指輪だった。

「キレイな指輪……」

「気に入ってくれた?」

確かに指輪はキレイだし、雰囲気もいい。……だからこそ、流される自分が悔しい。

「……その言葉、守ってくれるんでしょうね」

「え?」

「生涯わたしだけを愛するって言葉よ。……その言葉、本当に信じてもいいのよね?」

なぜか不思議と、そう言葉にしていたわたしだった。

「信じていい。必ず幸せにするから、透子も子供も、絶対に」

「……約束を破ったら、即離婚するからね」

「ああ。それで構わない」

なぜそんなこと、わたしは言ってしまったのだろう……。こんなヤツと結婚するつもりなんて、なかったのに…

本当にそう思ってた、のに……。

「……わたしのこと、ちゃんと守ってくれるの?」

「もちろん。……守り抜くよ、どんなことがあっても」

わたしのその問いかけに、高城藍は即答して答えた。

そしてわたしの目を見つめると、わたしの左手を取り片方だけ膝をつく。そのまま映画のワンシーンに出てきそうなポーズを取り、再びわたしにプロポーズの言葉を放った
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