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27話

Author: 水沼早紀
last update Last Updated: 2026-01-11 08:38:47

そういえば藍は、この間蕎麦が好きだと言っていた。 昔からよく家族で行く蕎麦屋があるらしく、今度一緒に行こうと誘われている。

「……アンタの父親は、そんな人なんだよ」

なんてお腹の子に話しかけても、なにも言う訳はないけど……。藍が優しくて子供思いなことだけは、妻であるわたしにも分かる。

藍はなんだかんだ、わたしたちのことを大切にしてくれている。 子供が産まれたら、藍はきっと子供のことを溺愛してくるだろうな……。

* * *

「ただいま、透子」

「おかえ……わっ!?ちょっと、藍……!?」

その日の夜、藍は帰ってきてすぐわたしをギュッと抱きしめてきた。

「会いたかった、透子。今日も愛してる」

「もう、藍ったら……」

抱きしめる強さはちょっと強いけど、微かに香る藍のそのニオイにも、少しずつ慣れてきた。

「藍の、ニオイが……する」

思わずそう呟くと、藍は「なんだ。嬉しいのか?」とニヤリとしながら聞いてきた。

「……うるさい。違うから」

藍から離れて背を向けると、今度は後ろから抱き締められる。

「きゃっ!? ちょっと、藍……?」

「透子、俺はお前のこと愛してるんだからな」

「なに?いきなり……。わかってるよ、そんなこと」

そんなことを言われてわたしは、そのくらいしか返す言葉がない。

「ずっと一緒にいよう。……これからもずっと、俺たち三人で」

三人で……。それはわたしと子供と、三人でってことだよね……?

「透子、愛してる」

「……んん」

そっと名前を呼ぶと、藍が頬に触れてくる。 そのまま藍に見つめられ、藍と唇を重ねる。

なぜか分からないけど、わたしは唇を重ねられて静かに目を閉じていた。 藍の優しいキスに、なんだか安心さを感じた。

「透子、相変わらずキレイだ」

「……ありがとう」

まあ……キレイと言われるのは、悪くないかも。

「透子、夕飯にしてくれるか?」

「うん、わかった」

わたしは藍に背を向けると、そのままキッチンに行って夕飯の用意をした。

「出来たよ」

「美味そう」

わたしの作ったロコモコ丼を美味しそうな表情で見つめる藍は、「いただきます」と手を合わせると、それを美味しそうに頬張りだした。

「美味い……。美味すぎる」

「そう? なら、良かった」

「味付け絶妙」

「お口にあって何よりよ」

そんなに美味しいと言われると、なんだか恥ずかしくなる。

「そういや、透子」

「な
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