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第633話

Author: 清水雪代
その力強い言葉に、智美はようやく納得して胸をなでおろした。

まだ見ぬ小さな赤ちゃんが、悠人の厳しいお説教をぽかんとした顔で聞いている姿が目に浮かんだ。

すると悠人は、おむろに一冊の絵本を取り出すと、表紙を開いて読み始めた。

冗談ではなく、本気だったのだ。彼はまだ米粒ほどの大きさしかないお腹の赤ちゃんに、本当に読み聞かせをするつもりらしい。

智美はふかふかの枕にもたれかかり、悠人の低く優しい声が紡ぐ物語に、静かに耳を傾けた。

心地よい声の響きに包まれ、気づけばうとうとと微睡みの淵へと引き込まれていった。

二話ほど読み終えて悠人が顔を上げると、智美はもうすっかり安心しきった顔で眠りに落ちていた。

彼は愛おしそうに微笑み、音を立てないようにそっと本を閉じると、彼女の姿勢を楽に整え、毛布を肩までかけた。それから智美の腰にそっと腕を回し、その温もりを感じながら静かに横になった。

以前、竜也が「毎晩、愛する妻と一緒に眠れることがどれほど幸せか」と、会うたびにのろけていた。あんなに大事な人と離れ離れになってまで、仕事に命を懸けるやつの気がしれない、と。

当時はただの惚気だと聞き流し
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