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第154話

Author: 花朔
文翔が好きなのは、きっとこういう芯の強い女性だ。

話しているうちに、彩は先日の「東方の禅意」アート展の話題に触れた。

「全体的に見れば、小林先生の作品があったからアート展は大成功だったよ。つまり、深水さんの作品がなくても、何の違いもなかったってこと」

言外に――

紗夜なんて大したことない、いてもいなくても同じ、と言っているのだ。

だが実際は、紗夜の作品が外されたせいで、来場者はほぼ半減していた。

けれど、彩は名のある客だけを見て、一般客など眼中にない。

文翔は口を閉ざしたまま。

彼の脳裏に、あの時自分が紗夜の作品撤去を許可した場面がよぎる。

彼を見上げた紗夜の目――

意地と、かすかな懇願の光。

それを、彼は無視した。

唇が硬く結ばれる。

彩はまだ話を続けようとしたが、文翔は興味を失い、椅子に寄りかかって目を閉じた。

それを見て、彩は静かに口をつぐむ。

彼が自分の再診に付き添ってくれている――

それだけで十分嬉しい。

少し話せなくても構わなかった。

診察室で彩が医師と話している間、文翔は廊下に立ち、ふと視線を向かいの科へ向けた。

千芳は手術を終え、紗
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