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猫被り女キラー

猫被り女キラー

By:  前川進次Completed
Language: Japanese
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番組に出演する前、私はカメラの前に立つだけで足がすくむほどの重度な人見知りだった。 そんな私が、未来の姑に背中を押され、一念発起してバラエティ番組に出演することに。 ところが、婚約者の元カノがまさかの「猫被り女」だったなんて知る由もなかった。 私は彼女の策略を逆手に取り、絶対に追い詰めてやると心に決めた。 元カノは涙を浮かべて私に訴えかけた。「ねぇ、凜華ちゃん、一杯のお水を汲むくらいのこと、イヤなの?」 私はニッコリ笑いながら、彼女に水をぶっかけた。そして、自分の太ももを思いきり叩き、涙ぐみながらこう言い放った。 「お姉さん、こんなドジな私のこと、きっと許してくれるんですよね?」 元カノは歯を食いしばりながら、必死に怒りを抑え込んでいた。

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Chapter 1

第1話

未来の姑である清水さんと「バラエティ番組に出るべきかどうか」について熱く議論していた。

その間、隣にいた匠真は、私たちのためにお茶を淹れたり、リンゴを剥いたりと甲斐甲斐しく動いていた。

清水さんは言った。

「凜華ちゃん、やりたいならやってみなさい!怖がることなんてないわ!」

これまでにも何度も励ましの言葉をもらってきたけれど、

生粋の人見知りの私には、無数のカメラに囲まれる場面を想像するだけで震えが止まらなかった。

匠真がそっと差し出してくれたリンゴを一口かじりながら、私は恐る恐る言った。「お母さん……私、番組に出たら緊張して何も話せなくなっちゃいそうなんです」

私の様子を見た清水さんは、呆れたようにため息をついた。「凜華ちゃん、人にはそれぞれの性格があるのよ。人見知りだって何も悪いことじゃない。でもね、それを理由にしてやりたいことまで諦める必要はないの」

その時、黙っていた匠真がついに口を挟んだ。「お母さんの言う通りだよ。凜華ちゃん、僕はずっと君の味方だから!」

すると、清水さんは匠真を鋭く睨みつけて一言。「女性同士の話に男は口を挟まないの!」

匠真は素直に「はい」と返事をすると、剥いていたリンゴをそっと置き、今度は梨を剥き始めた。

そんな匠真に私は「気にしないで」と目で合図を送ると、

彼は子供のようにニコッと笑い、えくぼが可愛らしく浮かんだ。

それでも、私にはまだ一つだけ心配事があった。「お母さん……でも、あれ親子番組ですよね?うちの母はきっと時間が取れないと思うんです」

家族との関係があまり良くない私にとって、母がこの手の番組に付き合ってくれるとは到底思えなかった。

「なんだ、そんなこと!」まだ迷っている私を見て、清水さんは安心したように笑いながら言った。「じゃあ、私が一緒に出てあげるよ!」

私は思わず清水さんをぎゅっと抱きしめた。「お母さん、ありがとうございます!」

これまでの私の人生は特別なことなんて何もない、ただの平凡そのものだった。

時にはそんな自分に嫌気が差すこともあった。「こんなに平凡なくせに、性格まで内向的なんて、自分でも呆れるよ……」なんて考えたりして。

でも、姑と彼に出会ってから私は気づいたのだ。誰にでも輝ける瞬間があって、それを見つけてくれる人がいるってことに。

私の良さを知ってくれる人が、たまたま現れただけ。それだけで、私は少しずつ変わることができたのだと。
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