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第44話・錆の怪物

Author: 新矢識仁
last update Huling Na-update: 2025-12-19 05:47:50
「無窮山脈も同じだ」

 ヤガリくんは顔を曇らせる。

「ラスト・モンスターが復活するかもしれない」

「らすと・もんすたー?」

「文字通り錆を食べる魔獣だ。それだけならまだマシだが、自ら鉱石を錆に変えてしまう」

「げ」

「元々いた魔獣ではない。世界が破滅になっていった時に、唐突に無窮山脈に出没しては鉱脈を錆させて食って行った。無窮山脈を土くれと錆の塊に変えてしまった後、食べるものなく餓死していったが……」

「餓死したのであればいいのではないでしょうか?」

 シャーナの言葉に、ヤガリは首を横に振る。

「世界を滅ぼそうとする勢力があると言うことは、生神に等しい能力を持つ何かがあってもおかしくない。かつて、そんな勢力が無窮山脈を破滅させるためにラスト・モンスターを送り込んだとしたら、今も……」

「つまり、この世界を再生しようと思うなら、敵対勢力との戦争を覚悟しなければゃいけないということなのですね……」

「ちょっと待って。援護戦闘について調べてみる」

 M端末を動かし、全員に周囲に追いかけてくるような連中がいないか監視してくれと頼んでから援護戦闘の説明を見る。

【援護戦闘は、神子に戦わせる戦闘です。生神は神子に力を与え、神子の戦闘を援護します。【属性】で、神子を強化したり援護したりできます。やはり神威名をつけなければなりません】

 これもネーミングか……と挫けかけて、見本の援護戦闘神威があるのを発見した。

【援護戦闘神威:[攻撃]武器強化エンチャント・ウェポン・鉱石+大地/[回復]回復ヒール・聖】

 なるほど、仲間を援護して強くして戦ってもらうわけだな。

【直接戦闘は生神の戦闘レベルを、援護戦闘は神子の信仰心と戦闘レベルをアップします。仲間と自分のどちらの戦闘力を上げるかを考えて戦いましょう】

 ……ってわけか。

 自分を強くするか神子を強くするか。

 とりあえず自分のステータスを見てみた。

【遠矢真悟:生神レベル33/信仰心レベル12000/戦闘レベル3

 神威:再生10/神子認定4/観察6/浄化6/転移1/増加4/創造2/直接戦闘5/援護戦闘1

 属性:水5/大地3/聖6/植物4/獣4/岩3/鉱石3

 直接戦闘神威:[攻撃]水流ウォーター・フロウ・水/[防御]木壁プラント・ウォール・植物

 援護戦闘神威:[攻撃]|武器強化《エンチャ
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