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第5話

Auteur: くまちゃんは必ず輝く
血走った目で睨みつけてくる彼女を見て、私は小さく溜息をついた。

言うだけ無駄か。自ら地獄を見たいというなら、好きにすればいい。

どうせ六人もガイドを雇っているのだ。いざとなれば彼らが交代で彼女を背負って登ればいいだけの話だ。

夕食後、航は全員を集めて明日の注意事項を説明し始めた。

だが説明が終盤に差し掛かった頃、澪が不機嫌さを隠そうともせず口を挟んだ。

「ねえ、さっきから御托ばかりでうんざりなんだけど。私が大金を払ってあんたたちを雇ったのは、登頂するためでしょ?

もし登れなかったら許さないからね。私のカネが空から降ってくるとでも思ってるの?」

その増長ぶりは目に余るものがあった。紀一に甘やかされた結果、彼女は自分を中心に世界が回っていると勘違いしているのだ。

私はチラリと紀一の様子をうかがった。

彼は俯いたまま押し黙っていたが、膝に置いた指先が、トントンと不規則なリズムを刻んでいる。

私は知っている。あれは彼が極度の苛立ちを感じている時の癖だ。

あと一つ何かきっかけがあれば、彼の感情は爆発するだろう。長年連れ添った直感がそう告げていた。

航は澪の暴言を完全に無視
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